2020 Fiscal Year Research-status Report
シェイクスピア時代の地中海世界とシェイクスピア作品におけるその表象の解明
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17K13404
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
土井 雅之 文教大学, 文学部, 准教授 (00614992)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シェイクスピア / エリザベス朝演劇 / 地中海世界 / フィレンツェ / 交易と商業 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年のベネチアに続き、イタリアの中部の都市フィレンツェを舞台にした、『から騒ぎ』、『オセロー』、『じゃじゃ馬ならし』、『終わりよければすべてよし』のシェイクスピア4作品を取り上げた研究発表「シェイクスピア独自のフィレンツェ像はどのように形成されたのか」を行う(2020年7月6日から15日まで(全てのプログラムが同一期日)、日本英文学会第 92 回全国大会ウェッブカンファレンス)。本発表では、シェイクスピアがその都市像を形成する上で参考にしたと考えられる、同時代に出版されたフィレンツェ関連本での都市の説明や、他の作家たちによるその都市についての記述を踏まえ、広い視野からシェイクスピア独自のフィレンツェ像を明らかにすることを試みた。 地中海世界との交易を経て発展したロンドンの商業、特に宿泊業と飲食業に注目した研究発表「シェイクスピア時代のロンドンの宿泊業と飲食業――演劇との関係を中心に」を行う(2021年3月13日(土)、科研費プロジェクト「娯楽文化史からとらえるエリザベス朝演劇―社会変化が生みだす総合エンターテイメント」第3回研究会(オンライン開催))。地中海世界との交易(ワインの輸入)が盛んになるに連れて、急速に発展した宿泊業と飲食業を歴史的・地理的に説明することを試みた。当時は区分けがはっきりしていたイン、タヴァーン、エールハウスそれぞれの商業施設の役割を、演劇との関係を中心にしながら論述した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究を実行し、2つの研究発表に繋げることができたが、新型コロナウイルスの影響でロンドン出張などの予定を終えることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
状況の変化を見つつ、終えることのできなかったロンドン出張などの予定を行うかを判断する予定である。追加の研究を試みながら、これまでの研究成果をまとめていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響でロンドン出張などの予定を終えることができなかったため。 状況が整えば、海外に出張するさいに使用を計画している。海外出張が難しいようであれば、追加の研究での使用(参考文献や関連物品の購入)を計画している。
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