2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the Mediterranean world in Shakespeare's time and its representation in Shakespeare's works
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17K13404
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
土井 雅之 文教大学, 文学部, 准教授 (00614992)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シェイクスピア / エリザベス朝演劇 / 『ハムレット』 / 亡霊 / 『オセロー』 / 創作活動 / 『ヘンリー八世』 / 歴史認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
2012年1月7日(土)開催の日本英文学会関東支部冬季大会において行った研究発表「亡霊の台詞を聞き逃すな―亡霊の登場場面からHamletを考える」を基に、専修大学人文論集112号において、論文「亡霊の登場場面から『ハムレット』を考える」の執筆を行う。本論では、クローディアスの我欲が、自然の成り行きを醜く歪めたことを衝撃的に伝える亡霊の台詞が、『ハムレット』を楽しむ上で欠かせない主要点であることを論じた。 2022年10月2日(日)に甲南大学で開催された、第60会シェイクスピア学会・セミナー1「劇作家の仕事」でコーディネイターを務める。本セミナーは、演劇作品実現での諸段階における創作行為の実相を、創作の背景としてではなく、作品の読解を中心にして考察した。個人では「『オセロー』の脇役たちから見えてくるシェイクスピアの省エネ作劇術」の発表を行った。 2023年3月11日(土)に九州大学西新プラザで開催された、科研費プロジェクト「エリザベス朝英国史劇における民衆のイングランド王国表象」第4回研究会で研究発表「‘little England’からの歩み ジェイムズ朝中期の歴史認識と『ヘンリー八世』」を行った。フランス、スペイン、ローマの影響下にある「リトル・イングランド」(‘little England’)から、ジェイムズ一世の「グレート・ブリテン」(‘Great Britain’)構想の基礎といえるものが築かれる時代を概観するこの戯曲には、材源の歴史認識に加えて、統治10年を迎えたジェイムズ朝の歴史認識が関係している。本論はその歴史認識と『ヘンリー八世』における材源からの変更部分との関係を考察することを試みた。
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