2018 Fiscal Year Research-status Report
科学の源流と形而上派詩人たち- 17世紀英文学と磁力
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17K13409
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松本 舞 広島大学, 文学研究科, 助教 (00754326)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヘンリー・ヴォーン / 17世紀英詩 / 形而上派詩 / 科学思想 / 神秘主義思想 / 磁力 / 自然 / 聖書 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度はヘンリー・ヴォーンの詩に加え、同じく17世紀の形而上派詩人であるエイブラハム・カウリーの恋愛詩の考察を行った。 これらの詩作品及びマニュスクリプトを収集するため、イギリスの大英図書館及びブレコン州での調査を行った。研究成果については、ヘンリー・ヴォーンの恋愛詩及び宗教詩と磁力との関係について、ブレコンで開催された国際学会The Vaughan Association 23rd Colloquiumにて、Magnetic Power in Henry Vaughan’s Poetryと題した発表を行った。この発表の中では、ヴォーンの磁力の表現には政治的意味合いが内包されていることを提示した。 また、エイブラハム・カウリーの恋愛詩における医学的側面をオヴィディウスの指南書、ロバート・バートンなどの医学書から考察し、鳥取大学で開催された、日本英文学会中国四国支部大会 第71回大会において、「エイブラハム・カウリー (1618-1667年) の『ザ・ミストレス』再考― 初期近代英詩の恋の病の治療法」と題した発表を行った。ダンを始めとする形而上派詩人たちの恋愛詩における描写を医学の側面から再考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2018年度はブレコンで開催されるThe Vaughan Associationの学会に参加しDonald. R. Dickson, Jonathan Post, Robert Wilcher,Jonathan Naumanなど、ヴォーン研究の第一人者と、17世紀英文学と磁力についての議論を行うことができた。また、終末論の観点から磁力の表現を捉え直し、これまでの研究では見過ごされていた新たな観点を示す論文をイギリスで出版される国際雑誌Scintilla 22に論文を投稿した。当初の計画段階では、3年目にて学会発表、4年目にて国際誌での論文発表を目標にしていたが、1年早く学会発表、論文発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、ヴォーンの研究者たちにとどまらず、アメリカで開催されるSouth-Central Renaissance Conference (SCRC) に参加し、ヴォーンと同時代のマーヴェルなどの研究者たちとの意見交換を行う。 また、Conference2020年にイギリスで開催される、Renaissance Studies Conferenceでの研究発表を視野に、ヴォーンの自然描写や聖書の表現を科学思想の視点から捉え直すことを目標とする。
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Causes of Carryover |
アメリカで開催される国際学会が2019年3月から2019年4月に変更になり、海外旅費を2019年度に充当した。
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Research Products
(2 results)