2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Research of "Islands Culture" and Cross-Bordering in the South Sea in the 19th-20th century British Novels
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17K13411
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
松田 幸子 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 准教授 (10575103)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 南洋 / 島嶼文化 / スティーヴンソン / 新世界表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、以下の通りの研究実績を残した。オベロン会9月例会(2019年9月28日)では、研究発表「スティーヴンソンの南海諸島:「瓶の小鬼」と「声の島」における貨幣と魔術」を行った。これは、2019年8月30日~9月8日にかけて行ったロンドン(British Library)とエディンバラ(National Libary of Scotland)での研究成果の発表である。スティーヴンソンが南洋諸島を舞台に描いた「瓶の小鬼」と「声の島」について論じ、そこで西洋が魔術的なもの・貨幣的なものとして隠喩的に描かれ、東洋に悪をもたらすものとして表象されていることを明らかにした。また、第58回日本シェイクスピア学会(鹿児島国際大学、10月5日)に、研究発表「ブルーム『アンティポディーズ』における旧世界と新世界 ― マンデヴィルの危険な女たち」を行い、17世紀のイングランドにおいて、対蹠地(アンティポディーズ)としての島々が、どのようにえがかれているのかを論じた。その際、中世以降ヨーロッパに流通し、人気を博していたジョン・マンデヴィルの『旅行記』を補助線として用いることで、新大陸の発見後、東洋の島々はイングランドにとって、馴致可能な場として想像されていたことが明らかになった。さらに、この発表を『オベロン』第73号に「ブルーム『アンティポディーズ』における旧世界と新世界 ― マンデヴィルの危険な女たち」(2020, 25-38)として掲載した。
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