2022 Fiscal Year Annual Research Report
Negotiations between Postcolonial Studies and Environmentalism: A Critical Study from the Perspective of Labour and Environmentalism in / after the Cold War
Project/Area Number |
17K13412
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
西 亮太 中央大学, 法学部, 准教授 (60733235)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 森崎和江 / 労働運動 / ポストコロニアル / エコロジー / 炭坑 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる2022年度は、これまで継続してきた戦後労働運動研究の一環として森崎和江研究を進めることができた。また、環境主義、反公害運動の研究として熊本県苓北町で毎年行われている天草環境会議に参加し奥の聞き取り調査を行うことができた。しかしながら、校地移転に伴う校務の激化から、そうした研究をまとめて論文にすることはあまりできなかった。本年度公開できた論文は以下の一本のみ。 『さわやかな欠如』を読む : 森崎和江の〈詩〉を考えるための試論、総特集 森崎和江 : 1927-2022
本研究課題全体では、当初は4年の計画であったが新型コロナ感染症の蔓延にともない2回の延長を挟むこととなり、それによって校務とのスケジューリングがうまくいかなくなり、不本意な結果となった。とりわけ、当初予定していたアーカイヴ調査が思うようにできない期間が続き、また、予定していた国際カンファレンスの開催も延期の末に中止となったことで、研究に重大な遅滞がもたらされることとなった。 とはいえ、二回の延期をお認め頂いたことで最終年度末にようやく短期間ながらもアーカイヴ調査を実施することができ、今後の研究につなげることができた。通算6年の研究期間で、雑誌論文8本(うち査読あり2本)、学会での報告(うち国際学会3本)を発表することができた。 2010年代から盛んに論じられてきた「ポストコロニアル・エコクリティシズム」を批判的に検討することから着想を得て開始された本研究は、まず英米文学におけるポストコロニアル批評とエコクリティシズムの歴史的な関係性を簡単に整理するところから着手した。そこに冷戦構造における政治性を読み込み、そのうえで、具体的な対象を戦後日本とし、労働運動論(植民地批判言説も含まれる)と反公害市民運動の交差点を検討した。いまだ道半ばではあるがここまでの知見を今後の研究に活かしたい。
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Research Products
(2 results)