2017 Fiscal Year Research-status Report
サルトル後期思想の展開 - 「単独的普遍」から「ラッセル法廷」へ
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17K13423
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南 コニー 神戸大学, 人文学研究科, 学術研究員 (10623811)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ラッセル法廷 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績①2017年6月3日日本フランス語フランス文学会春季全国大会(於東京大学)にて「ラッセル法廷50周年記念、サルトルとグローバル・ジャスティス」の題目で研究発表を行った。この発表では、以前より交流を深めていたロスキレ市文化庁資料担当長のマリー・バーテルセン氏の許可を得て、コペンハーゲン大学及び、ロスキレ市歴史アーカイブ所蔵のラッセル法廷(主に第三回ロスキレ法廷)関連の未公開資料を紹介しつつ、口頭発表を行うことによって当該分野における革新的な学術的貢献に寄与した。 研究実績②2017年8月初旬、ロスキレ市長を表敬訪問。また、現地の主要なメディアのひとつであるロスキレ市民新聞において、本研究の学術的貢献が紹介される。また2018年8月に開催予定の国際シンポジウムにおいて市民ホールの使用許可を頂いた。8月15日にロスキレ市役所において研究報告会をロスキレ市文化庁資料担当長のマリー・バーテルセン氏、劇作家ピーター・ベンステッド氏と共同で開催すると共に「ラッセル法廷」(第三回ロスキレ法廷)参加者とコペンハーゲンで面会し会談を行う。8月下旬、ルンド大学研究員であり、バートランド・ラッセル研究の第一人者であるステファン・アンダーソン氏にインタビューを行う。また、ストックホルム王立図書館所蔵の未公開資料(主に第二回ストックホルム法廷関連)の収集を行う。 研究実績③12月9日サルトル学会(第40回研究例会・於関西学院大学)でストックホルム王立図書館所蔵の未公開資料、及び日本国会図書館所蔵の資料をもとに口頭発表を行う。発表原稿はウェブ掲載される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
①当該分野の未公開資料を一般に紹介することで学術的貢献に広く寄与し、日本及びヨーロッパ諸国間の親睦にもつながっている。 ②本研究の意義が評価され、国際的関心も高まり、ロスキレ法廷を開催した現地のメディアに取り上げられた。こうした国際的な発信は、本研究が学術専門家間のみにとどまらず、広く社会にたいして貢献していることの証左である。 ③各国の研究者と連携を図りつつ本研究が持続的に行われることによりさらなる学術的成果が期待できるばかりでなく、広く国際社会への貢献も可能になる。
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Strategy for Future Research Activity |
推進方策①2018年8月29-31日、ロスキレ国際シンポジウムを主催する予定である。また本シンポジウム開催にあたり、ロスキレ市長のご好意で市民ホールを利用する許可を得ている。参加者は、ロスキレ市長、ラッセル法廷において国際貢献した日本人弁護士森川金寿のご子息である人権活動家・弁護士の森川文人氏、スイスの国際人権学者フランク・A.マイヤー氏、ドイツの政治学者ハメッド・アブデル・サマッド氏、ドイツの政治ジャーナリストヘンリック・ブローダー氏、ロスキレ大学教授スーネ・レゴー氏、ロスキレ市文化資料長マリー・バーテルセン氏、劇作家ピーター・ベステッド氏、ルンド大学研究員ステファン・アンダーソン氏、人間図書館創設者のロニー・アバゲル氏、ロスキレ高校、現地メディア及び筆者である。シンポジウム開催のテーマは、「The Crime of Silence」であり、68年政治闘争から50年経った今改めて、表現の自由や民主主義とは何かを問いつつ、民衆法廷の意義について議論やパネルディスカッションを行う予定である。 推進方策②推進方策①で行った結果を総括し、国際論文集を作成する。推進方策③サルトル学会において発表を行う予定である。
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Research Products
(5 results)