2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K13427
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
三田 順 北里大学, 一般教育部, 准教授 (20723670)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヨーハン・デーネ / 魔術的リアリズム / フランス・エレンス / 幻想文学 / ジャン・レー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は「ベルギー怪奇派」ともいわれる、第一次世界大戦後のフランス語作家、とくにジャン・レー、トーマス・オーウェン、フランス・エレンスの一時文献および研究書、加えてオランダ語圏の魔術的リアリズムの作家、ヨーハン・デーネ、ヒューベルト・ランポーについて同様の文献の収集を行うと共にこれまでの成果を国際学会で研究報告および論文投稿の形で発表した。その成果の一部は三月初めにアメリカのボストンで開催されたNortheast Modern Language Associationの年次大会で報告を行い、オランダ語圏の魔術的リアリズムを代表するヨーハン・デーネのデビュー作および作家自身の記した「魔術的リアリズム」論を考察しつつ、その基本コンセプトが同時代フランス語圏の幻想的文学を代表するフランス・エレンスの幻想論と多くの点で共通していることを比較検討した。二月には、昨年度ウクライナの国際学会で報告を行い、その後論文として投稿したローデンバック論が英語の論集として公刊された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度国際学会で発表し、その後英語論文として投稿したものが論集の形で公刊された。本年度の研究目的であったオランダ語圏の魔術的リアリズムについて、予定通り調査と研究を始め、年度末には一定の成果を国際学会で報告を行うことができた。これについても外国語論文の形でまとめて行く。
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Strategy for Future Research Activity |
折からの感染症の世界的拡大により、三月に入って様々な学会、研究会が中止されている他、来年度にエントリーしていた国際学会がすべて中止ないし一年の延期となっており、来年度について現時点で研究を進める上でむつかしい状況になっているが、すでに収集した先行研究の整理、論文の執筆、また来年度刊行予定の翻訳書の作業を優先的に進めて行く方針でいる。
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