2019 Fiscal Year Research-status Report
英語音声のリズムの時間構造の韻律的特徴に基づく音響学的な解析とその教育への応用
Project/Area Number |
17K13445
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 静 京都大学, 情報学研究科, 研究員 (40631916)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 英語音声 / リズム / 時間構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,英語母語話者音声のリズムの時間構造が,その音響学的な測定によって初めて定量的に明らかにされつつある。本研究では,まず,母語話者音声との差異 を計測して解析し,学習者音声のリズムの不自然さを定量的に明らかにする。次に,その差異と,主観評価を行って得る習熟度を表す得点との対応関係を解析 し,両者の関係を定量的に明らかにする。加えて,得点と強い相関を示す差異が表れる検査文に共通する性質を抽出し,リズムの習熟度の評価に適した検査文の 性質を明らかにする。さらに,それに基づいて検査文の選択基準を設定する。今年度は,リズムの習熟度の評価に適した検査文の性質を明らかにするために,前年度に得点と強い相関を示す差異が表れた検査文を集めて,それらに共通する性質を抽出した。抽出した性質をもとに,リズムの習熟度の評価に適した検査文の選択基準を設定した。性質を表す客観的な値には,検査文を構成する単語の個数や長さ,個々の単語の音韻構成や単語境界の音韻の並び方,検査文に含まれる強音節の相互の位置関係等を用いた。得られた結果により,従来英語教育の現場で教師の経験に基づいて主観的に扱われてきたリズムの指導や評価に対して,客観的で定量的な情報を提供することができる。この効果は,英語教育学や音声科学等の分野に貢献することが期待される。また,得られた結果は,英語音声学のみならず諸言語のリズムを扱う韻律学の分野に寄与する。さらに,本研究の研究手法は,英語以外の言語に拡張することも可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画から大きく逸脱することなく進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って推進する。
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Causes of Carryover |
研究計画に変更はないが,研究を推進する中で必要に応じて研究費を執行し,結果として見込額と執行額が異なったため。
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