2019 Fiscal Year Annual Research Report
An Investigation on Realization Mechanisms of Exponent
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17K13447
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Research Institution | Toyo Gakuen University |
Principal Investigator |
依田 悠介 東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 准教授 (00745672)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
異形態の出現に関する形態統語的・形態意味論的な研究を行った。日本語の異形態のデータに関しては数が極めて少なく、データ収集に困難を極めた。その中でも、形態統語論に関しては、前年度に引き続き、(1)類別詞と数詞の間の語種に関わる研究、(2)名詞句と類別しの間の関連性に関わる研究を行った。また、形態意味論に関しては、(3)前年度に引き続き、連用形の名詞化についての研究を、新たに(4)名詞句の内部構造に着目し、代名詞形態的な構造に関する研究を行った。 これらの研究により、日本語では類別詞が和語で出現する場合と漢語で出現する場合があり、その語彙の種類の決定には数詞が和語として出現するのか漢語として出現するのかが関連することを示した。また、類別詞や数詞よりも深い位置に既定生成される名詞句が類別詞の決定に関わることを示し、名詞句の統語構造を明らかにした。 また、前年度までに行っていた連用形の結果名詞用法に関する研究を継続し、分散形態論とナノシンタクスの二つの理論的装置からの分析を試みることによって、分散形態論が提案する主要部が局所性を決定する理論の優位性を示した。これにより、形態統語論的な語彙の出現と形態意味論的な意味決定に関するメカニズムに並行性がある可能性を指摘することができた。 さらに、形態意味論的観点から日本語の代名詞の異形態を観察することにより、人称の指定に関わるとされる、名詞句のφ素性が代名詞の先行詞の決定に関わることを示すと同時に、φ素性が存在しない場合には、主語を指向する可能性を日本語・タイ語・英語のデータを用いて示した。
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Research Products
(9 results)