2019 Fiscal Year Annual Research Report
Welfare linguistic study on the influence of Japanese loanwords in Micronesia
Project/Area Number |
17K13461
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
今村 圭介 東京医科歯科大学, 教養部, 助教 (00732679)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 辞書作成 / 福祉言語学 / ウェルフェア・リングイスティクス / 日本語借用語 / 言語接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、旧南洋群島の中心であった国の言語であるパラオ語における日本語借用語の影響を明らかにし、研究結果を基に現地の関係者との協働により辞書・資料を作成することを目的とした。 過去の日本統治による社会変化により日本語借用語が取り入れられ、その後多くが使われなくなっていった。まず、そのような維持状況を語彙分類のカテゴリ別に明らかにした。さらに、例文作成や写真撮影によって、詳細な借用語の意味記述を進めた。借用語は取り入れらる際また、取り入れられた後に変化することが多い。そのような日本語借用語の変化を音韻・意味・統語レベルで記述した。また、類義語の調査を行うことで、日本語借用語とその他の語がどのように棲み分けをしているかを明らかにした。さらに、そのような借用語の影響を旧南洋群島の他地域の状況と比較することで、パラオ語における日本語借用語の影響の大きさを明らかにした。 上記の記述資料をもとに、教育関係者や言語政策関係者と定期的にコミュニケーションを図り、辞書を作成した。作成した辞書はパラオ教育省に寄贈し、現地の学校に配られた。若年層の日本語借用語の使用は大幅に減少しており、老年層が使用する語が理解できないこともあるため、辞書の作成は異なる世代間の相互理解を促進するものとなることが期待される。辞書はパラオにおいて注目を集め、新聞などのメディアで取り上げられた。教育資料としてのみならず、一般人がパラオ語を知るための資料としても注目されている。
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Research Products
(5 results)