2018 Fiscal Year Research-status Report
Historical Studies of Hiragana upon Integration of the Hiragana Grapheme Database and the 19th-Century Textbook Corpus of Hiragana Grapheme
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17K13462
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
岡田 一祐 国文学研究資料館, 古典籍共同研究事業センター, 特任助教 (80761220)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日本語学 / 文字史 / 平仮名 / 国語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度においては、仮名字体データベースを質的・量的に拡充するための取材を行った。 前半期は、かなのくわい関係の資料を収集・調査し、仮名字体に関する情報を得た。かなのくわいでは、仮名字体の制限の提唱をした面々が属するいっぽう、そもそも複数の主義を持つものが集まっており、とくに仮名字体に関する主張をめぐる事実関係の確認を中心的に行った。この調査のなかで発見された資料を紹介することができた。 また、フランス国立印刷局の仮名活字を調査し、レオン・ド・ロニーの関係が示唆される仮名活字に関する調査を行い、19世紀フランス日本学における仮名字体の収集を行った。レオン・ド・ロニーは19世紀においてフランス日本学者としてはじめて正教授に就任した人物であるが、開国前後に日本学が発達した国々において、いかなる仮名字体が必要と判断されたか精査し、日本における傾向と比較することは、海外の日本学の精度を示すものともなり、本研究からさらなる発展を期待できる。 このほか、昨年度報告した日本古典籍字形データセットに関する成果を論文集の一編として寄稿したほか(編集中)、本研究における成果を背景として、イギリスで開催された国際学会で発表をし、江戸時代における仮名字体の複線的なありかたについての記述ならびに考察を報告した。また、エンゲルベルト・ケンペルの著作における仮名字体の扱いの移り変わりについての論考を著した。ケンペルの収集した資料は、本研究としても得るところがおおく、その基礎的な考察である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平仮名字体データベースの拡充はおおむね順調に行えたが、コーパスについては異動のため作業を依頼することが難しくなったため、十分に進んだとはいえない。
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Strategy for Future Research Activity |
期間延長も視野に入れつつ、研究時間や作業者の確保を行い、システムおよびデータの完成を目指す。
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Causes of Carryover |
コーパス作成にかかる謝金等が発生しなかったため残額が生じた。次年度および計画延長の場合最終年度にかけて適切に作業を発注ないし依頼して使用していく。
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