2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Labeling and Parametric Variation in Syntax
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17K13475
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
後藤 亘 東洋大学, 経営学部, 准教授 (50638202)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Merge / Labeling / Determinacy |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、前年度に得られた研究成果に基づいて、(Wh)移動に対する「Free Merge + Labelingアプローチ」と「Free Merge + Determinacyアプローチ」の両方を同時に検証しながら「言語の最適デザイン」を追求した。「Free Merge + Labeling アプローチのもとでは、日英語の「CED効果」のみならず、ドイツ語とイタリア語で観察される摘出現象に対しても統一的な説明を与えることができるということがわかった。その成果はゲッティンゲン大学のAndreas Blumel氏との共同研究で1つの論文にまとめた。 【論文】Taming Free Merge Further - Sub-Extraction and Its Kin (Proceedings of WECOL 2018) また、「Free Merge + Determinacyアプローチ」のもとでは、日英語の「CED効果」に加えて、「that痕跡効果」や「反局所的効果」など、「Free Merge + Labelingアプローチでは捉えきれなかった摘出現象に対しても統一的な説明を与えることができるということがわかった。その成果は明治大学の石井透氏との共同研究で1つの論文にまとめた。 【論文】Some Consequences of MERGE and Determinacy (https://ling.auf.net/lingbuzz/004108) 両アプローチとも言語のコア概念だけで多くの言語間変異を統一的に説明することができ、理論的にも経験的にもそれぞれ一定の評価を得られるものであった。したがって、本研究からだけではどちらのアプローチが「言語の最適設計」を構成しているのかという問いに対して結論を与えることはできなかったが、この結果自体は今後のさらなる研究プロジェクトに繋がる非常に有意義な研究成果になったと言える。
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Research Products
(8 results)