2020 Fiscal Year Research-status Report
小学校図画工作科と外国語活動の教科融合型学習の研究
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17K13503
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
藤井 康子 大分大学, 教育学部, 准教授 (10608376)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 図画工作科 / 小学校外国語活動・外国語 / CLIL(内容言語統合型学習) / マルチモダリティ / 教科融合型学習 / 教科横断型学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
・教科書、教師用指導書、副教材、関連資料等の収集と分析:研究補助期間に熊本県で実施した小学校図画工作科と外国語活動を軸とした教科融合型学習の効果について、研究協力者2名(英語教育を専門とする研究者及び現場教員)とオンラインを活用した研究協議会を12回実施した。芸術教科等の学習効果の分析に関する最新の研究論文や図書を収集し、CLIL教育(内容言語統合型学習)の視点に加えてマルチモダリティの視点も取り入れ、児童のワークシートや自己評価シート、作品、授業の画像や映像、音声記録を基に多様な視点から分析・考察を行い、実践を通した学習効果と課題を明らかにした。加えて、研究補助期間に福岡県で実施した教科融合型学習の研究実践についても、研究協力者2名(美術教育を専門とする研究者及び現場教員)とオンラインを活用した研究協議会を月1回のペースで実施している。これらの研究協議会と論文執筆を通して、図画工作科と外国語活動を軸とした教科融合型学習理論の基礎基盤の構築につなげることができた。
・海外との共同研究:スペイン・マドリッド自治大学の教授らと始めた「絵巻物プロジェクト」の一環として開発した美術科と国語科、外国語科を軸とした教科融合型授業について、研究協力者との研究協議会を5回実施した。研究実践については、学校現場の状況を考慮し次年度に延期することとした。
・研究成果の公表:研究協力者とともに開発・実践した図画工作科と外国語活動を軸とした教科融合型学習の効果に関する分析・考察の結果をもとに研究論文を共同で執筆し、研究代表者が所属する学会の学会誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「やや遅れている」と評価した理由は次の2点である。1点目は、美術科と国語科、外国語科を軸として開発した教科融合型授業の研究実践が実施できなかったためである。2点目は、補助事業期間に実施したヨーロッパ・アジア4カ国の教育機関及び小学校の海外調査(ドイツ、スペイン、イギリス、台湾)に関する研究論文の執筆など研究成果の発信が不十分であるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況をふまえ、次年度は次の事項に取り組む。 ・実践研究の実施:学校現場において、研究協力者とともに美術科と国語科、外国語科を軸として開発した教科融合型授業の研究実践を行う。実践を通して得られた教科融合型学習の効果について分析・考察を行い、成果と課題を明らかにする。 ・研究成果の発信:ヨーロッパ・アジア4カ国(ドイツ、スペイン、イギリス、台湾)の教育機関及び小学校の海外調査で得られた知見を基に、現地のバイリンガル学校やCLIL教育の現状(学習内容と指導法、教科書とその他の学習教材の運用方法等)と今後の動向について研究代表者の所属学会等で発表し、研究成果を広く社会に公開する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症対策により研究実践が延期となり、未使用額が生じた。未使用額については、研究代表者の研究実践のための諸経費(物品費、交通費)と所属学会等への投稿論文や学会発表を行うための英文校閲に係る費用に充てる。次年度は、研究実践の実施とともに海外調査及び日本での教材開発と実践研究の研究成果の公表を充実させる。
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Research Products
(2 results)