2019 Fiscal Year Research-status Report
英語リスニング力の発達過程における音声単語認知へのトップダウン処理の影響
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17K13516
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Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
山内 優佳 広島文化学園大学, 学芸学部, 講師 (40781365)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リスニング / 語彙 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,英語学習者による音声単語認知におけるトップダウン処理の影響について明らかにすることを目的としている。本研究の基礎となるField(2004)の調査では,複数の語を続けて聞いたとしても,先行する語彙の意味に影響されることはほとんどない(語レベルの聞き取りにおいては,トップダウン処理はほとんど行われていない)という結果であったが,Yamauchi, Yamato, and Kida(2016)の調査では,それが一部支持されない結果となった。本研究は,単語を音声で認知する際のトップダウンが生じる際の要因について,語の選択や順序の影響,英語学習者が持つ特性(e.g., 熟達度,方略使用)という側面から明らかにするものである。 計画として,平成29年度は材料となる単語認知課題の作成と予備調査,平成30年度は300名程度を対象とした本調査を実施する予定であったが,初年度の研究に遅れがあり,平成30年度は小規模のパイロット調査を実施するにとどまった。令和元年度は,平成30年度の調査について学会で口頭発表を行った。調査結果は,英語学習者が英語を聞く際の方略的指向性の違いにより,トップダウン・ボトムアップ処理の優位性が異なることを示すものであった。具体的例として,背景情報を活用する方略的指向性を持つ学習者は,語のみを聞いた際にも直前の語に誘発される(トップダウン処理が優位になる)という事例があった。口頭発表においては,調査協力者である学習者による音声聞き取り時には意識的・戦略的な方略使用が行われていたのかという指摘や,学習者がこれまで受けてきたリスニング指導に関する質問がなされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
小規模調査は実施できたが,大規模調査に至れていない。本務校の新規事業における負担増が一つの理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,新型コロナウイルスの影響下で大規模調査の実施見込みが立たなくなっている。2019年度の調査結果を基に,理論的な側面から調査材料の精査や論文化につなげていきたい。
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Causes of Carryover |
・大規模調査が実施できておらず,謝金が未使用である。 ・その報告に必要な論文校正費が未使用である。
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Research Products
(1 results)