2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Influence of Top-down Processing on Spoken Word Recognition During the Development of English Listening Comprehension
Project/Area Number |
17K13516
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山内 優佳 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (40781365)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リスニング / 英語 / 音声 / 単語認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,英語学習者による音声単語認知におけるトップダウン処理の影響について明らかにすることを目的としている。本研究の基礎となるField(2004)の調査では,複数の語を続けて聞いたとしても,先行する語彙の意味に影響されることはほとんどない(語レベルの聞き取りにおいては,トップダウン処理はほとんど行われていない)という結果であったが,Yamauchi, Yamato, and Kida(2016)の調査では,それが一部支持されない結果となった。本研究は,単語を音声で認知する際のトップダウンが生じる際の要因について,語の選択や順序の影響,英語学習者が持つ特性(e.g., 熟達度,方略使用)という側面から明らかにするものである。 令和3年度までに,総合的なリスニング課題の結果同程度の熟達度と判断できる2名を対象にケーススタディを実施した。その結果,背景知識を活用する方略を使用する傾向が強い学習者は,意味の繋がりがある単語群と,繋がりがない単語群を無作為に聞いているにもかかわらず,すべての単語について意味の繋がりを見出そうとしているという特徴があった(Yamauchi, 2022)。 令和4年度は,Yamauchi(2022)の結果を検証すべく,サンプルサイズを大きくした調査を行った。その結果,(1) 熟達度が高い学習者と低い学習者において,トップダウン処理の影響が少なく,中間層には影響が比較的強く現れること,そして (2) 英語熟達度,および文法を活用した方略への指向性がたかくなるほどトップダウンの影響が現れる傾向にあることが明らかになった。特に2点目については,Yamauchi(2022)を支持する結果ではなかった。本研究の調査協力者の熟達度が500~600点台を中心としていたことから,より幅広い熟達度層を対象とした調査の必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)