2020 Fiscal Year Research-status Report
足利義満期武家政治史の研究 ―義満の権力確立過程の再検討を中心に―
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17K13526
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀川 康史 東京大学, 史料編纂所, 助教 (80760280)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 足利義満 / 鎌倉府 / 応永の乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 研究代表者は2019年9月から2020年8月まで在外研究を行ったため、当該期間は本研究を中断し、「海外における研究滞在等による科研費の研究中断・再開制度」を用いて研究期間の延長を申請した(2021年度→2022年度)。 (2) 2020年9月の帰国後、本研究を再開し、2019年度に引き続き室町幕府と「遠国」の関係という観点から足利義満期武家政治史の再検討を行った。今年度は、足利義満期における室町幕府と鎌倉府の政治的関係(両府関係)について、応永7年(1400)の応永の乱前後の政治情勢を中心に検討を進めた。当該期の東国情勢をめぐっては,これまで地域的な観点から個別に言及されるにとどまりがちであったが、従来未活用の史料も用いて再検討を行った結果、一連の事象を両府関係というより広い文脈のなかに位置づけることが可能であるとの見通しを得ることができた。今後さらに史料の発掘・収集を進め、検討を続けたい。 (3) 本研究課題に関連する成果として、2020年2月にドイツ・ハンブルグで行った、日本中世の古記録に関する報告を文章化した(2021年度末刊行予定)。また、京都府京都文化博物館で開催された特別展「よみがえる承久の乱」(2021年4月6日~5月23日)の企画に携わり、同館の図録に「承久の乱と南北朝内乱」と題するコラムと展示品の解説を執筆した。この他、初学者向けの研究案内として、「室町幕府と全国秩序」(『論点・日本史学』ミネルヴァ書房、2021年度刊行予定)を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は在外研究による本研究の中断や、昨年度末からのCOVID-19の影響もあり、研究成果の公表には至らず、予定していた史料閲覧・調査も延期を余儀なくされているが、前述のように足利義満期の両府関係について一定の見通しが立ったことからおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、(2)に記した研究成果のさらなる検討と論文化を行うとともに、2019年度までの研究成果の論文化を進める。ただし、COVID-19の今後の状況によっては、史料閲覧・調査が困難となることが予想される。その場合は本研究計画の期間延長も含めた研究計画の修正が必要となる。
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Causes of Carryover |
研究代表者は2019年9月から2020年8月まで在外研究を行ったため、当該期間は本研究を中断し、「海外における研究滞在等による科研費の研究中断・再開制度」を用いて研究期間の延長を申請した(2021年度→2022年度)。また、帰国後もCOVID-19の影響により、予定していた史料閲覧・調査ができず、執行ができなかった。残額は2021年度以降、本研究計画の趣旨に沿って執行予定である。
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