2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Political History of the Reign of Ashikaga Yoshimitsu: A Re-examination of Yoshimitsu's Power Consolidation Process
Project/Area Number |
17K13526
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀川 康史 東京大学, 史料編纂所, 助教 (80760280)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 室町幕府 / 足利義満 / 地方支配 |
Outline of Annual Research Achievements |
・最終年度にあたる本年度は,個別の調査を行う一方,研究成果の総括を目指し,「遠国」「地方」の視点から見た足利義満期の評価について,室町幕府支配体制の形成・展開過程のなかに位置づけながら検討を進めた。その成果の一端については,来年度の歴史学研究会大会報告「室町幕府支配体制の形成と展開」にて報告予定である。従来,幕府権力・将軍権力の最盛期・確立期と高く評価されてきた義満期を,九州・東国の「遠国」化が決定づけられた時期と位置づけ直し相対化したことは,本研究課題の最大の成果と考える。 ・神奈川県立金沢文庫の特別展図録『法会への招待』に「紙背文書にみる室町幕府政治史のひとこま」を寄稿したほか,中世日本とマムルーク朝を比較する国際研究集会にて,The Nanbokucho War and Loyalty in an Age of War: The Struggle and Failure of Kyushu Deputy Imagawa Ryoshun, 1370-95と題する口頭報告を行った(出版予定)。また,「室町幕府と全国秩序:中世後期の中央と地方の関係をどのように考えるか」と題する研究案内を寄稿した『論点・日本史学』(ミネルヴァ書房),『吉田家日次記』に関する2020年の報告を掲載したStudies in Manuscript Cultures, 30号がそれぞれ出版された。 ・今後発表予定の成果として,昨年度報告した国際シンポジウム「海外の日本中世史研究:「日本史」・自国史・外国史の交差」の書籍化に共編者として携わることになり,英語圏における南北朝・14世紀史研究の紹介のほか,外国語著作の書評を執筆した。また,中世の起請文・誓約に関する昨年度の口頭報告が現在印刷中である。このほか,本研究の成果も取り入れた,南北朝期の今川氏に関する論文の執筆を進めている。
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