2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K13531
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
板垣 貴志 島根大学, 法文学部, 准教授 (80588385)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 有畜農業 / 農業史 / 環境史 / 牛 / 馬 / 畜産史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、研究協力者である全国和牛登録協会の協力のもと、本研究の基礎的データとなる日本畜産史に関わる歴史資料群の把握と、畜産業の近代化に尽力してきた古老の聞き取り調査を開始した。 具体的には、向井氏(全国和牛登録協会会長)・渡部氏(同島根県支部長)と打合せ(島根県出雲市)。11月21日、農研機構西日本農業研究センターにて資料調査(旧中国農業試験場畜産部@島根県大田市)。12月14日、広島県畜産技術センターにて資料調査(旧農商務省七塚原牧場@広島県庄原市)。2017年2月1日、H氏聞き書き調査(広島県庄原市)。4月17日、H氏聞き書き調査(島根県仁多郡)。5月15日、全国和牛登録協会(京都市)で資料の確認調査と打合せ。6月5日、家畜改良センター技術協力室(福島県西白河郡)訪問調査。6月28日、和牛能力共進会鳥取県大会見学。6月29日、和牛能力共進会島根県大会見学。7月27日、H氏聞き書き調査(岡山県真庭市)。8月10日、京都大学で「人と家畜の関係史研究会」準備会。8月22日-23日、広島県畜産技術センター資料の調査(広島県庄原市)。9月7日、全国和牛能力共進会宮城大会見学(宮城県仙台市)。9月28日‐29日、全国和牛登録協会の資料調査(京都市)。2018年3月26日-28日、全国和牛登録協会の資料調査(京都市)。3月28日、人と動物の関係史研究会(京都大学)を開催。 また、2017年4月に広島県三原市久井歴史民俗資料館が開館した。伯耆大山・石見出羽とともに日本三大牛馬市といわれる久井牛馬市に関する展示キャプション執筆を担当し、全国的にも珍しい牛市展示施設となっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本畜産史に関わる歴史史料群の網羅的概要調査の結果、未整理資料群が大量に存在することが確認できた。また、中国地方を中心にした古老の聞き書き調査から、本研究が対象とする有畜農業期(1930年代から1960年代)の当該者たちの時代変化イメージの記憶を記録化しつつある。とくに、全国和牛登録協会が保管している羽部義孝(初代協会会長)、上坂章次(2代目協会会長)に関する資料群は、日本畜産業の推移を明らかにする基礎的な史料が多く含まれており、その目録化に着手している。
|
Strategy for Future Research Activity |
有畜農業期に関わる基礎的な文献所在調査はほぼ完了した。今後は、その目録化を進めつつ、戦前・戦中・戦後における畜産業の変化(役畜から用畜へ)を基軸として解明を進める予定である。その際に、農業機械化や製粉業による飼料の生産や移出入に関することなど、日本畜産史と接点のある領域に関する文献も収集しつつ広がりのある研究を進めていく。2018年5月には、農業機械化に関する学会シンポジウムのでのコメントをする予定となっている。接点のある領域の研究者と交流も進めつつ、日本畜産の特質を解明しつつ、日本近現代史全体の研究史にそれを位置づけていく予定である。
|
Research Products
(4 results)