2017 Fiscal Year Annual Research Report
近世における藩と都市京都との関係に関する総合的研究
Project/Area Number |
17K13543
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Research Institution | The Iida City Institute of Historical Research |
Principal Investigator |
千葉 拓真 飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (60719483)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 藩 / 京都 / 大名 / 公家 / 寺社 / 呉服所 / 御用達 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、研究の基礎となる史料の調査・収集と、応募前に収集した関連史料に基づいた研究成果を公表することが出来た。 史料の調査・収集については、佐賀県立図書館においては鍋島文庫、京都府立京都学・歴史彩館においては京都府庁文書や京都町人家に伝来した史料等、国文学研究資料館においては久世家文書や清水谷家文書、東京大学史料編纂所においては関係文献の調査・収集を行い、研究を進める上で基礎となる史料や文献を集めることが出来た。研究成果の公表については、「近世公武婚姻の一側面‐元禄十一年における加賀前田家と二条家との縁組について」(『加賀藩研究』7号、2017)、「大名と天皇・朝廷」(木村直樹・牧原成征編『十七世紀日本の秩序形成』吉川弘文館2018に収録)の2論文を公表した。口頭報告は、飯田市歴史研究所定例研究会で「近世京都における諸藩の活動と呉服所・御用達」、第7回近世の天皇・朝廷研究大会(於学習院大学)で「近世後期の公武間交際‐清水谷家と津藩藤堂家‐」、加賀藩研究ネットワーク第30回例会(於金沢大学サテライトプラザ)で「近世後期の加賀藩と勝興寺‐天保年間の後住一件をめぐって」を公表した。 総じて飯田藩、加賀藩、土佐藩、あるいは公家側の史料を用いて、近世における藩と京都(天皇・朝廷や町人、寺社など)との関係について、多くの事実を明らかにすることが出来、史料や文献の調査・収集によって当該分野に関する研究の基盤を作ることが出来た。そうした点で、本研究には一定程度の意義があったということができる。
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