2019 Fiscal Year Research-status Report
考古学におけるデジタルアーカイブ化のための点群処理技術
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17K13571
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
村木 祐太 大阪工業大学, 情報科学部, 講師 (60710077)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 3次元計測 / 欠損補間 / テクスチャ補間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,遺物を対象とした3次元計測によるデジタルアーカイブ化の高速化,および高精度化の実現が目的である.本研究課題を解決するためには,以下の要素技術が必要となる: 計測点群に対する高速なノイズ除去,複数点群の位置合わせ,欠損検出,欠損補間,欠損部分に対するテクスチャ補間
研究代表者は,これまで,計測点群に対する欠損検出および欠損補間の高速化および高精度化に取り組み,従来手法を上回る効果を得ることができている.具体的には,計測点群に対してボロノイ分割に基づいた点の疎密情報を用いた形状解析を行い,高精度な欠損輪郭抽出を実現した.また,検出した欠損輪郭情報とその周囲の計測点群を利用し,周囲の点群との連続性や形状特徴を維持した欠損補間を実現した. 2019年度は,青銅器のような円筒状の計測点群に対する位置合わせの高速化,高精度化に取り組み,一定の効果を得ることができている.具体的には,青銅器に含まれるサビ情報を手掛かり(特徴的な点)としてマッチング候補を絞り込むことで,速度および精度を改善することができた.また,欠損部分に対するテクスチャ補間に関する手法を検討した.2018年度は,欠損の形状および色を同時に補間することで,さらなる精度向上を目指したが,処理速度などの観点から良好な結果が得られなかった.そこで,2019年度は補間対象を色情報のみとし,機械学習を用いた画像処理技術を点群へと拡張させた.これにより,欠損を含んだ色付き点群に対して,形状および色情報の復元を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では,2019年度が研究期間の最終年度であったが,テクスチャ補間に関する手法の更なる改善の必要性や,手法の有用性を示すために購入予定であったデバイスの発売延期などから,研究期間を1年延長することとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,2019年度に提案した色付き点群に対するテクスチャ補間をより汎用的な手法へと拡張し,本システムの有用性を検証するための精緻な実験を行う予定である.
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Causes of Carryover |
提案システムの有用性を検証するためのデバイスの発売延期により,次年度使用額が生じることとなった. 2020年度では,必要に応じて代替デバイスを購入し,提案システムの評価実験を実施する予定である.
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