2019 Fiscal Year Research-status Report
インナーシティと災害リスク分布との相関を踏まえた米国都市の防災ガバナンス
Project/Area Number |
17K13576
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
小田 隆史 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 准教授 (60628551)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脆弱性 / 多重剥奪 / リスク / ガバナンス / アメリカ / サンフランシスコ / インナーシティ / 都市災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
都市の「災害弱者」包摂に関する議論では,自然災害の影響を強く受けるとされる社会経済的に脆弱な人々への配慮や参加が重視されつつあるが,大都市圏の 内部におけるミクロな地域的格差と災害リスクとの関係を実証した研究は寡少である。 そこで本研究課題では,経済的・物的窮乏による多重剥奪(負の連鎖)が みられる地区を複数有する米国大都市圏を事例に,インナーシティと災害リスクとの関係性についてミクロなスケールから空間分析することを目的としている。 今年度は,昨年度末にロックフェラー財団の支援によりサンフランシスコ市役所に新設されたレジリエンス復興室(Office of Resilience and Recovery),カリフォルニア大学バークレー校,サンフランシスコ公立図書館等,現地調査で収集した耐震化支援,リーダーシップアカデミー等の若手防災啓発事業に関する関連文献の整理・分析を行った。 また,サンフランシスコ・ベイエリアで進行するジェントリフィケーションに関する空間分析やメディア分析を進めた。さらに,ルイジアナ州ニューオーリンズで生じたハリケーン災害と人種・エスニシティにかかる文献を整理し、本研究のフレームワークの強化を行った。 さらに,昨年度に執筆した本課題研究に関する論文の内容を,当地において消防・防災に従事している実務者等に共有し研究成果の還元を行うとともに,実務者の視点からフィードバックを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
勤務大学において新設された防災教育研修機構の副機構長を命ぜられ,新設初年度の機構業務で多忙を期し,当初予定していた現地調査の遂行が困難だったため,本課題研究の進捗にはやや遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
延長許可された本課題研究について当初は,夏季にカリフォルニア州サンフランシスコ及びその周辺で延期していた現地調査を実施する予定だったが,計画時点において,新型コロナウイルス感染症の蔓延により日本から米国への入国が制限されており,入国制限の解除の見通しが立たないこと,及び,勤務大学において授業開始が延期されたため夏季休業期間が短縮されたことから,当該現地調査の夏実施は見送ることとし,その間,本邦において実施可能なオンラインジャーナルやメディアからのデータ収集・分析,論文執筆を進める。 その後,新型コロナ禍が収束し,現地調査の実施が可能と判断された場合は,所属大学の海外渡航に関する方針に則り,感染対策に万全を期した上で渡航・実施する予定。
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Causes of Carryover |
勤務大学において新設された組織の副機構長を命ぜられ,新設初年度の機構業務で多忙を期し,当初予定していた現地調査の遂行が困難となった。本研究課題の成果達成には,現地でのデータ収集が不可欠であるため,拙速を避け,現地機関との事前の調整を十分行った上で,効率的にデータ・資料収集が行えるよう,調査計画を一部見直したため。
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