2017 Fiscal Year Research-status Report
無形文化遺産をめぐる知識人、政府、担い手の諸実践-広東省の水上居民を事例として
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17K13589
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Research Institution | Shokei Gakuin College |
Principal Investigator |
稲澤 努 尚絅学院大学, 総合人間科学部, 准教授 (30632228)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エスニシティ / 民俗 / 無形文化財 |
Outline of Annual Research Achievements |
まずは中国、なかでも広東省の無形文化遺産に関連する先行研究のさらなる収集と分析を行った。6月には広東省広州市を訪問し、広東省中山図書館や中山大学図書館等で資料収集をするとともに、広東省民族研究所元所長の馬建ショウ氏と無形文化遺産に関して情報交換を行った。 また、静岡大学において、長沼さやか氏や藤川美代子氏など水上居民研究を行ってきた日本の研究者に加え、広州大学の呉水田氏を交えて意見交換を行い、今後の研究での協力体制を構築した。 近年、無形文化遺産の「漁歌」を歌う汕尾の漁歌隊は、定期的に歌を披露する各地のイベントに参加している。汕尾における聞き取りや彼らのイベント参加時に撮影されたDVD分析により参加状況の整理をすすめつつ、今後行うイベント参加時の参与観察の準備を行ってきた。 一方で、地元の廟の行事などでもこうした歌謡を披露することが行われており、無形文化遺産に指定されるなかで整備されてきた漁歌隊が、ローカルな儀礼やイベントにどのような影響をあたえるのかについて、今後詳細に調査分析をする必要性を感じたので、次年度以降順次調査を行っていく。 また、汕尾以外の「漁民」の歌謡や民俗と無形文化遺産化についても資料収集をすすめるとともに、ヤオ族や客家などの「民俗」の無形文化遺産化についても文献による比較検討を行っている。これについても、現地機関関係者と話し合って調査対象を再度検討し、次年度に調査を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
広東省の無形文化遺産に関連する資料の収集・分析はほぼ予定通り行った。ただし、具体的な調査地選定に関しては、汕尾以外の場所を絞り込むにいたらず、さらに情報収集を進めた上で調査地選定と調査をで行う。
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Strategy for Future Research Activity |
文献資料の収集を進めるとともに、一定期間現地で調査を行う時間をできるだけ確保するように努める。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通りの金額を使用したが、航空券価格等の関係で25935円残ったので、次年度の調査費用とする。
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Research Products
(4 results)