2017 Fiscal Year Research-status Report
福島の沿岸漁業者が模索する「未来」に関する文化人類学的研究
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17K13590
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
高橋 五月 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (50791084)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 未来 / 福島 / 漁業 / 原発事故 / 災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2017年度は、現地調査を二度行うことができ、中間成果を国内学会で一度、国際学会で二度発表することができた。 ・5月に日本人類学会の年次大会(神戸大学で開催)にて、本研究のテーマである福島県沿岸における「未来」について報告し、パネリストや参加者とさまざまな意見交換をし、「未来」を人類学的に探求するにあたって有益な示唆をもらった。 ・9月に福島県いわき市小名浜地区で現地調査を実行した。沿岸漁業者に対する聞き取り調査に加え、洋上風力発電周辺の漁業調査に同行し、参与観察を行った。この現地調査を通して、2017年時点で福島県における沿岸漁業の現状について詳細な情報を得ることができた。また、実際に漁業調査を行っている現場に同行し、参与観察ができたことはとても有意義であった。 ・10月にふくしま海洋科学館にて職員との打ち合わせと現地調査を行った。打ち合わせでは、今後の具体的な調査活動についての意見交換を行った。また、2019年11月にふくしま海洋科学館で開催される世界水族館会議について、会議のテーマである「未来」について聞き取り調査を行った。 ・9月に行った現地調査をもとに、2017年11月に開催されたAmerican Anthropological Associationの年次大会および2018年3月に開催されたAssociation for Asian Studiesの年次大会で中間成果を発表した。ここでの口頭発表を通して、パネリストや大会参加者と「未来」に関して様々な議論をし、次年度以降の調査研究を遂行する上で有益なコメントやクエスチョンをもらった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、2017年度は、現地調査を二度行うことができ、中間成果を国内学会で一度、国際学会で二度発表することができた。ただ、予定していた水産試験場での現地調査は実行できなかったので、2018年度に行う予定である。また、3ヶ月に一度の頻度で現地調査を行う予定だったが、スケジュール調整が難しく、現地調査は2度のみにとどまった。以上のように多少の計画変更はあったものの、本科研はおおむね順調に進展しているということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の経験を生かし、2年目と3年目(最終年度)の研究を進める。2年目である2018年度は中間成果を学術論文にまとめ投稿する予定である。また、2018年春と夏に行う予定である現地調査をもとに、2018年11月に米国サンホゼ市で開催される全米人類学会で口頭発表をする予定である。
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Causes of Carryover |
2018年3月開催の国際学会と図書購入に関する精算が年度をまたいだため、当該経費が今年度の収支に反映されていない。それを加味すれば事実上0(ゼロ)である。
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Research Products
(3 results)