2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K13596
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| Research Institution | Rissho University |
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Principal Investigator |
岡崎 まゆみ 立正大学, 法学部, 専任講師 (60724474)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 帝国日本 / 法の伝播 / 植民地司法 / 司法統一 / 朝鮮高等法院 / 京城帝国大学 / 大審院 / 判例集 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦前日本における司法の中枢を担っていた大審院の判決に対して、単にそれを「受売り」する存在として認識されがちだった外地裁判所において、実際には現地の法的ニーズに合わせて、時として大審院の方針とは異なる司法判断が下されていたところ、そうした特徴を持つ当地の司法判断の集積と分析を手掛かりに、「帝国」日本としての司法秩序の形成過程を明らかにしようとするものである。
そのため本研究では、①内外地で同一法規を用いる場合であって、かつどのような事案において朝鮮高等法院が大審院とは異なる判断を下したのか（また、そうした判断を可能にした形式的・実質的条件とは何か）、②「帝国」日本における司法（判例）統一を巡り、在朝鮮・在内地の法律実務家や法学者たちがどのような反応を示していたか、③上記①②といった一連の事象によって、本国（内地）の司法はどのような影響を受けたか、という３つの論点を中心に分析を進めている。
2018年度はの研究実績として、上記①～③のうち、主として②と③について基礎資料の収集と考察を進めた。具体的には、②について、2017年度に収集した資料をもとに、1910年代から30年代における法律実務家の「内外地司法統一論」をめぐる言説の動向を詳細に分析し、加えて補足的な資料収集を行った。③に関しては、外地裁判所の判決の位置付けを確認するため、同時代に内地で刊行された様々な判例集の悉皆調査を進めた（主として朝鮮を対象として調査を行った）。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、2018年度は2017年度の調査・分析結果について論文執筆を予定しており、この点については達成できたと言える。加えて当初は2019年度に予定していた国際学会での口頭報告について、本年度に2度、パイロット的に実施することができた。2017年度に行った研究会での報告内容が分析途中のものとなっていたので、その後の分析を含めて報告できた点では、当初の計画以上の成果を得られたと考える。
一方資料調査の面では、申請者の所属先変更に伴う作業から、年度前半での活動が思うように行えなかった。当初の研究計画が遅れているわけではないが、2019年度はその期間分の調査についてもカバーできるよう努めたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の研究計画に従い、2019年度は上記③を中心に調査・分析を進めるが、必要に応じて、①②の補足的調査・分析を行う。なお、本年度は当該研究計画の最終年度であることから、特にこれまでの研究成果の総括、公表を重点的に行いたいと考えている。
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| Causes of Carryover |
2018年度前半は、申請者の所属先変更に伴う作業で思うように研究を行えなかったため、その間に支出予定であった予算が消化できなかった経緯がある。しかしながら当該予算は、本来的に本研究の遂行に不可欠なため、物品（主に書籍購入費として）・旅費（調査及び研究報告のための出張）・人件費その他とも本年度中に全額支出が見込まれる。
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