2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Historical Study on the Theory of Public Benefit and Public Good in Tax Law
Project/Area Number |
17K13603
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 啓之 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 准教授 (60580397)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 租税法 / 公益法人 / 財団 / 公共の福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究期間のうち、平成29年度は、ボン大学での在外研究に従事しており、帰国後平成30年度は、ヨーゼフ・イーゼンゼー教授の編訳書『国家・公共の福祉・基本権』(弘文堂)の刊行に向けて、札幌で3泊4日、神戸で2泊3日の研究会合を行い、訳稿の刷合せ及び解説の執筆方針についても検討を重ねた。当初はドイツにおける公共の福祉論については報告者が分担し、日本における公共の福祉論については他者が担当する予定であったが、諸般の事情により後者は省略し、前者についてのみ報告者が単独で執筆作業に従事した。各訳稿は平成30年12月までに出揃い、解説も翌年2月中に提出を終え、同書は令和元年9月中に刊行された。 また、この間、平成30年6月には、東京大学租税法研究会で「公益団体と政治活動」と題する報告を行っており、ドイツ財団法についても当初の予定どおり研究を進めている。前者では、公益の形成主体である「政治団体」とその実現主体である「公益団体」という基本認識が、両者をめぐる租税法における一見類似した制度の理解に及ぼす意義について考究した。これに対し、後者については、その前提となる研究成果に対し、中里実ほか編『信託課税研究の道標』(有斐閣)で好意的な反応が示された。ただし、そのより本格的な比較法史的成果の公表それ自体は、本研究課題と直接関係がない内外の執筆依頼が数多くあったため、本期間中に果たすことが叶わなかった。今後の課題として、然るべき時期における公表を目指したい。
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Research Products
(1 results)