2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the dismissals focusing on the actual situation of the interests of employees in corporate bankruptcy
Project/Area Number |
17K13623
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
戸谷 義治 琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (10643281)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 倒産労働法 / 再建型倒産手続 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の最終年度となる令和元年度(平成31年度)は、研究のとりまとめと成果公表の期間とした。 本研究は、企業が倒産した後に、再建のプロセスを進行させるにあたり、通常の使用者(会社)と労働者という二当事者ではなく、倒産会社の債権者という新たな利害関係者が登場するとともに、管財人というやはり使用者や労働者から見て第三者である機関が再建型倒産手続の中心に位置づけられることによる、各当事者間の利害調整に関する法的枠組の在り方を明らかにしようとする、すなわち①労働者を集団的及び個別的に代表すべき代表者の法的位置づけ、②使用者としての立場をもつと同時に中立的に再建計画を策定すべき管財人のあり方、並びに③倒産裁判所における基準策定段階における紛争処理のあり方を明らかにすることによって、債権者集団の利害も考慮した、迅速な手続き進行と、労働者の利益保護を図る解釈論上の問題解決及び制度設計上の示唆を得ることを目指すものであった。 これまでの研究でも、使用者と労働者、使用者と債権者の間には法律上の利害調整の場があるものの、その三者が利害を調整する場はなく、また管財人にもこれを調整する権限は与えられていないことは指摘したとおりである。これに加えて、税法などにおける倒産使用者の法的地位の議論なども参考に、労働法上の使用者・労働者関係について検証することができた。 これらの検討を基礎として、後述の通り研究会等報告3回、論文(共著書籍含む)4本を公表することができた。なお、新型コロナウィルス問題の影響を受けて、年度末に予定していた国際学会での報告は中止された。問題解決後の改めての公表を準備している。
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Research Products
(8 results)