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2017 Fiscal Year Research-status Report

多様な働き方と労働法に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17K13625
Research InstitutionKyoto Human Rights Research Institute

Principal Investigator

河野 尚子  公益財団法人世界人権問題研究センター, 研究第6部, 専任研究員 (10757412)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords兼業 / 兼職 / 副業 / 労働契約
Outline of Annual Research Achievements

兼業・副業をめぐる議論がどのように展開されてきたか、労働法及び社会保障法の領域を中心に文献について考察した。従来、長期雇用制度においては、正社員が複数の仕事を掛け持ちすることは前提とされていなかった。当初は、私生活の労働時間外になされる兼業・副業を規制することの合理性が焦点とされてきた。兼業・副業の自由は、私生活の自由に加え、憲法22条1項が保障する職業選択の自由からの要請でもあるという議論が展開されるようになり、高度経済成長期以降、景気低迷の長期化や就業形態の多様化に伴う兼業・副業の増加と相まって、より一層重視されるようになった。また、近年の兼業・副業の推進の議論に伴い、労働者の健康確保のあり方、被用者保険(厚生年金保険・健康保険)における複数就業者の届出義務を被用者に転換することの是非、被用者保険および雇用保険における複数就業者の適用のあり方が問題とされており、今後の検討課題となる。また、兼業・副業をめぐっては、雇用型だけではなく、自営(非雇用)型も議論の対象となる。特に、労働者及び自営的就労者が、兼業・副業を通してキャリア形成に向けて様々な職種を経験していく就労の機会が保障されるという意味において、自律的に選択する働き方が尊重される法規制のあり方について今後検討していく必要がある。さらに、兼業・副業を行うにあたり、柔軟な働き方がしやすい環境整備の法のあり方について、企業が自主的に柔軟な取組みを行うための手法として、ガイドラインの策定の意義について分析を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成29年度は妊娠に伴う体調不良および出産・育児のため研究が行えない期間があったため、研究に遅れが生じた。翌年度の復帰後の延長期間を含め、計画通り進行していく予定である。

Strategy for Future Research Activity

兼業・副業の手段として柔軟な働き方をもたらすテレワークや自営(非雇用)型の兼業・副業をめぐる法的課題について、多様性を重視した働き方に着目し、研究を進めていく。

Causes of Carryover

平成29年度に、兼業・副業と関連する問題として、テレワークや自営的就労者をめぐる法的課題について、日本法、EU法に関する資料収集および調査研究を行う予定であったが、妊娠に伴う体調不良及び出産・育児による研究中断により、研究に遅れが生じたため、未使用額が生じた。このため、予定していた上記研究について、次年度に引き続き行うこととし、未使用額はその経費に使うこととしたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 文献研究労働法学(第21回)兼業・副業2017

    • Author(s)
      河野尚子
    • Journal Title

      季刊労働法

      Volume: 258 Pages: 129-142

URL: 

Published: 2018-12-17  

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