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2020 Fiscal Year Research-status Report

行為規制の実現手段としての開示規制:証券市場における開示規制の再構築

Research Project

Project/Area Number 17K13643
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

温 笑トウ  東北大学, 法学研究科, 准教授 (80754548)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2022-03-31
Keywords開示規制 / コーポレートガバナンス
Outline of Annual Research Achievements

2020年度において、本研究は、アメリカの証券法立法の背景の調査と先行研究の整理に関するこれまでの研究成果をもとに、開示規制のエンフォースメント及び規制違反に対する民事救済について調査を行った。企業行動研究については、スタンフォードロースクールのデータベー(http://securities.stanford.edu/ハーバード大学からアクセス可能)を利用して、虚偽記載に基づく損害賠償訴訟(400件ほど)をベースに、虚偽記載の起因を分類化して、企業の行動を分析し、開示規制が失敗する原因を探った。また、ハーバード大学ロースクールのラムザイアー教授とアレーン教授との意見交換を行い、調査結果に基づいて、「内部統制報告制度の形骸化 ――内部統制の有効性に関する虚偽記載の原因を探る」を題目とする論文を完成しました(ソフトロー研究31号(2020年8月)http://www.ibc.j.u-tokyo.ac.jp/publications/softlaw.html))。
次の実績として、コーポレートガバナンスに関する開示規制のエンフォースメントの問題について、本研究において特に注目したのは、虚偽記載の公表と因果関係の認定である。本研究は、コーポレートガバナンス情報に関する虚偽記載を含め、虚偽記載が発生した後の被害者の範囲の認定と損失の評価に関するアメリカの判例理論を調査した。同研究成果はを雑誌「法学」85巻1号に掲載する予定でしたが、新型コロナの影響で後続調査が延期され、本来2020年に公表が予定されたが、先延ばすことが余儀なくされ、85巻3号に掲載する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究は、証券市場の開示規制と行為規制との相補性に着目し、開示規制の行為規制を実現する手段としての役割を考察し、開示規制の再構築を目指している。ただし、コロナの影響で、一部の資料の入手及び調査の実施が延期されています。2、本研究の代表研究者は、中国南開大学において2019年12月に改正された中国証券法を対象に、改正の内容と背景について調査し、特に本研究と関係する投資者保護及びコーポレート・ガバナンスに関連する部分を研究した。そして2020年3月23日に北京にある清華大学法学部で開催される「中日商事法研究会」に参加し、中国証券法改正のほか、本研究と関係する証券法の私法的効果について議論した。ただし、コロナの影響で、中国証券法改正における会社法と証券法の交差の問題に関する論文の執筆と、関連問題についての日本での調査が延期された。
例えば、コロナの影響で留学先のアメリカでは、大学の休講と図書館の閉鎖のみならず、外出することすら困難な状況にあっため、資料の調査が予定とおり進んでおらず、本来、調査の結果に応じて購入すべきであった洋図書や洋雑誌なども予定とおり購入することができなかったです。その後、アメリカを離れて、日本にも戻るつもりでしたが、日本国籍を有しないため、日本への入国が認められず、そのまま中国に出張することに予定変更しました。そのため、本来日本で購入する予定の和図書とDVD雑誌も入手できず、日本での調査が遅れました。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策ですが、まず2020年における未完成の業務を遂行したうえ、これまでの研究成果をまとめて、本の出版を計画しています。これまでの研究成果は、申請者の博士論文を補完するものである。つまり、証券法は、行為規制のみならず、その開示規制についてもコーポレートガバナンスの役割があることを明らかにし、証券法は、コーポレート・ガバナンスの領域において、会社法を代替する機能があることを証明した。被害者は、会社法ではなく、証券法によって損失の填補を図ることが可能であるが、その同時に、証券法を援用できる被害者の範囲が限定されていることから、会社内部の株主間において不平等が生じていることを注意しなければならない。他方、会社法における信認義務違反の認定よりも(経営判断原則の適用あり)、証券法における虚偽記載の認定のほうが容易である(経営判断原則の適用なし)ことから、株主間の不平等がさらに大きくなることが予測される。博士時代の研究成果と、今回派遣先での研究成果を踏まえ、証券法によるコーポレートガバナンス規制を対象とするこれまでの議論をまとめる形で本の出版を目標としている。

Causes of Carryover

経費残額は、本来、海外での研究会に出席するためや、研究用の書籍やDVD雑誌を購入するためのものである。しかし、コロナの影響で留学先のアメリカでは、大学の休講と図書館の閉鎖のみならず、外出することすら困難な状況にあっため、資料の調査が予定とおり進んでおらず、本来、調査の結果に応じて購入すべきであった洋図書や洋雑誌なども予定とおり購入することができなかった。その後、アメリカを離れて、日本にも戻るつもりでしたが、日本国籍を有しないため、日本への入国が認められず、そのまま中国に出張することに予定変更した。そのため、本来日本で購入する予定の和図書とDVD雑誌も入手できなかった。また、海外でもコロナの影響で、参加するので予定の研究会に出席できず、予定の訪問先との面会なども制限されたため、次年度使用額が生じた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 2020

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 2 results)

  • [Journal Article] コーポレート・ガバナンス規制における証券法の限界ーー開示規制を中心に(暫定)2021

    • Author(s)
      温笑とう
    • Journal Title

      法学

      Volume: 85-3 Pages: 未定

    • Open Access
  • [Journal Article] 内部統制報告制度の形骸化 ――内部統制の有効性に関する虚偽記載の原因を探る2020

    • Author(s)
      温笑とう
    • Journal Title

      ソフトロー研究

      Volume: 31号 Pages: 1-20

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-12-27  

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