2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on M&A contract provisions
Project/Area Number |
17K13651
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
星 明男 学習院大学, 国際社会科学部, 准教授 (10334294)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | M&A契約 / 契約解釈の方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に行った欧州での比較契約法の議論状況の調査・研究に基づき、「Interpretation of Corporate Acquisition Contracts in Japan: Why Do Japanese Judges Struggle with Construing Contracts?」と題するワーキング・ペーパーを執筆した。同ペーパーでは、日本のM&A契約実務における、英米法での文言主義による契約解釈を前提としたドラフティングと、裁判所による客観主義を前提とした契約解釈との間に溝が生じていることを論じ、溝を架橋する方法を検討した。同ペーパーは、2019年6月11日・12日にシンガポール国立大学にて開催された16th ASLI Conferenceにおいて発表し、その後、英文査読誌に投稿した。本報告書提出日現在、査読結果を待っているところである。 また、瑕疵担保責任や表明・保証においてしばしば問題となる法人の主観的態様(目的物の瑕疵や表明・保証違反の事実についての善意・悪意)の判断方法について、米国法との比較および日本の判例の分析結果を「Knowledge of Corporate Party in Contractual Liability」と題するワーキング・ペーパーにまとめた。同ペーパーは、2020年6月にインド国立法科大学(National Law University, Delhi)にて開催予定であった17th ASLI Conferenceにおいて発表することが決まっていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、開催が延期になった。その代わりとして、2021年1月にシンガポール国立大学で開催される2nd Asian Law Junior Faculty Workshopにて発表することが承認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年8月にインドネシアのアイルランガ大学に客員講師として招聘され、半月ほどの集中講義を行ったため、16th ASLI Conferenceにて発表したワーキング・ペーパーの英文査読誌への投稿が遅くなった。また、2020年の春季休業中は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるオンライン講義の準備も並行して進める必要が生じたため、教育活動に予想外の時間が必要になった。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは、2021年1月の2nd Asian Law Junior Faculty Workshopに向けて「Knowledge of Corporate Party in Contractual Liability」の改訂を進める。それに加えて、M&A契約の詐欺取消しと排他的救済条項の適用関係について、米国デラウェア州の判例の分析を進め、ワーキング・ペーパーにまとめる。
|
Causes of Carryover |
主として、17th ASLI Conference及び2nd Asian Law Junior Faculty Workshopへの参加費用(航空券代・宿泊費を含む)および英文査読誌への投稿にかかる費用に支出する予定である。
|
Research Products
(3 results)