2017 Fiscal Year Research-status Report
ポスト基礎付け主義時代におけるデモクラシーの行方:アゴニズムの民主主義論を中心に
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17K13672
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山本 圭 立命館大学, 法学部, 准教授 (90720798)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ポスト基礎づけ主義 / デモクラシー / アゴニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ポスト基礎づけ主義の課題に接近するために、「真実らしさのロジック」に着目した。ここで「真実らしさ」とは、真理と意見の中間物であり、すぐれてポスト基礎づけ的な位置価をもっている。真理の外観はヘゲモニーの産物であり、そのかぎりで、この「真実らしさ」はまたしても他の構想による挑戦にたえず曝されている。そのため、ラクラウ=ムフがある箇所で述べているように、「真実らしさ」のロジックには「本来的に公共的で民主主義的」なところがあり、これは基礎づけ主義に舞い戻ることなく、何がしかの基礎づけを主張するポスト基礎づけ主義にとって大きな手がかりになるだろう。ただし、ポスト・トゥルースとも言われる時代にあって、いわゆる「嘘」と「真実らしさ」の違いについては、ひきつづき検討課題として残されることとなった。 また本研究課題にかかわって、立命館大学にて「来たるべきグラムシ」シンポジウムを開催した。報告者に千野貴裕氏(早稲田大学)、倉科岳志氏(京都産業大学)、尾場瀬一郎氏(立命館大学)をお招きし、アントニオ・グラムシの思想の現代的意義、とりわけポスト・マルクス主義や現代民主主義理論へのインプリケーション等について活発な討論が行われた。 また今年度も引き続きポスト基礎づけ研究会を複数回開催し、とりわけ教育思想史学会では、ポスト基礎づけ主義にかんするセッションを行い、フロアの参加者の方々と活発な議論をすることができた。現在、本研究会の成果を刊行すべく準備を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献の検討、論文の執筆、研究会の運営など、計画通りに進められている。海外への渡航については、研究実施機関の異動などに伴い、予定の変更を余儀なくされたため、現在あらためて調整中である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度もひきつづき文献の検討、論文の執筆、研究会の運営を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究機関の異動等により、海外渡航の予定が変更されたため。平成30年度には国際学会等の参加を通じて、本研究費を執行する予定である。
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Research Products
(5 results)