2020 Fiscal Year Research-status Report
ポスト基礎付け主義時代におけるデモクラシーの行方:アゴニズムの民主主義論を中心に
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17K13672
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山本 圭 立命館大学, 法学部, 准教授 (90720798)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 民主主義 / デモクラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本来であれば、英国ブライトン大学にて国際的な研究チームに参加し、研究を遂行する予定であった。しかしCovid-19の蔓延により中止を余儀なくされた。また図書館などへの資料アクセスもかなり制限されたことから、研究計画は予定通りにいかなかった。 そのようななか、具体的な研究成果としては、年報政治学(日本政治学会編)に「指導と民主主義」が掲載された。ここでは、指導者やリーダーシップの問いが現代民主主義論において弱かったことを明らかにし、その原因をリーダーシップとデモクラシーのジレンマに求めた。さらに近年のいくつかの研究を手がかりにしながら、「民主的リーダーシップ」の可能性について検討した。 また本年度は、一般書として『現代民主主義ーー指導者論から熟議、ポピュリズムまで』(中公新書)を上梓した。同書では、ウェーバーやシュミットらの指導者民主主義、シュンペーターやダールの競争型エリート主義、ペイトマンやマクファーソンらの参加民主主義、そして熟議民主主義、闘技民主主義などの、民主主義論の多様性を示した。さらに第5章では、「現代思想のなかの民主主義」として、ジャック・デリダやジャック・ランシエール、そしてエルネスト・ラクラウの議論を紹介し、現代思想と政治学の関係についても示唆した。 そのほか『アーレント読本』(日本アーレント学会編、法政大学出版局)にハンナ・アーレントとデモクラシーの関係についてのコラムを寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19パンデミックのため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を一年延長し、オンラインで可能なかぎり進める予定。
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Causes of Carryover |
Covid-19のため。感染状況次第だが、積み残した課題を遂行するために、おもに旅費や図書費として使用予定。
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Research Products
(5 results)