2017 Fiscal Year Research-status Report
ミクロとマクロ,供与と中断:内戦への介入・援助の帰結を巡る新たな理論と実証
Project/Area Number |
17K13686
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
伊藤 岳 富山大学, 研究推進機構 極東地域研究センター, 協力研究員 (80773895)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 援助・介入 / 武力紛争 / 内戦 / 空間データ / 地理情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の目的は,第三国・国際組織・NGO等 (以下,外部勢力) による内戦への介入・援助の供与と中断が,(1) 当該内戦における戦闘・暴力の展開と (2) 内戦全体の継続期間・終結形態に与える影響の解明にある.具体的には,本研究は次の2つの作業に取り組む.第1に,外部勢力による内戦への介入・援助,特にその中断が,介入・援助の展開地点・周辺地域における (ローカル/サブナショナルな) 戦闘・暴力の趨勢 (e.g., 発生件数の増減,空間的拡散) に与える効果を明らかにする.第2に,特定の形での内戦への介入・援助の供与・中断 (e.g., ある地域からの部隊の段階的撤退,援助の急増や急減) が,内戦全体の継続期間・終結形態に与える影響を,理論的・実証的に明らかにする. 当初の計画通り,研究初年度にあたる平成29年度は,研究全体の基盤となる空間データの入手・整備に加え,上記 (1) 内戦への介入・援助の供与と中断が当該内戦における戦闘・暴力の展開に与える影響を巡る実証分析を,順調に進めることができた.具体的には,内戦における援助・介入の展開地点と戦闘・暴力の発生地点等を記録する詳細な空間データや地理情報システムを用いて,空間的文脈を踏まえた計量分析に取り組んだ.得られた知見をまとめた論文は国際学会・研究会において発表することができた.これらの論文は,次年度以降投稿・公刊の目処がたった. こうした初年度の成果は,研究2年度目(平成30年度)以降に予定している上記 (2) のような実証分析の基盤にもなる.平成30年度以降も,可能な部分は前倒ししつつ,研究計画の順調な進捗が見込める.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の目的は,第三国・国際組織・NGO等 (以下,外部勢力) による内戦への介入・援助の供与と中断が,(1) 当該内戦における戦闘・暴力の展開と (2) 内戦全体の継続期間・終結形態に与える影響の解明にある.具体的には,本研究は次の2つの作業に取り組む.第1に,外部勢力による内戦への介入・援助,特にその中断が,介入・援助の展開地点・周辺地域における (ローカル/サブナショナルな) 戦闘・暴力の趨勢 (e.g., 発生件数の増減,空間的拡散) に与える効果を明らかにする.第2に,特定の形での内戦への介入・援助の供与・中断 (e.g., ある地域からの部隊の段階的撤退,援助の急増や急減) が,内戦全体の継続期間・終結形態に与える影響を,理論的・実証的に明らかにする. 当初の計画通り,研究初年度にあたる平成29年度は,研究全体の基盤となる空間データの入手・整備に加え,上記 (1) 内戦への介入・援助の供与と中断が当該内戦における戦闘・暴力の展開に与える影響を巡る実証分析を,順調に進めることができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
上述の通り,本研究計画では (1) 当該内戦における戦闘・暴力の展開と (2) 内戦全体の継続期間・終結形態に与える影響を明らかにする.初年度の進捗を踏まえ,可能な部分は前倒ししつつ,2年度目以降も当初の計画を進める.
|
Causes of Carryover |
研究計画初年度の助成金のうち,少額(8,332円)の残金が残った.少額の物品等を購入するよりも,2年度目助成金と合算して使用した方が助成金を有効に活用できると判断した.
|
Research Products
(7 results)