2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on dynamic mechanism design
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17K13698
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
佐野 隆司 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (50611208)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オークション / 動学的資源配分 / メカニズムデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、時間を通じて資源配分がおこなわれる動学的な資源配分問題を考え、ゲーム理論・メカニズムデザイン理論の枠組みを用いて望ましい取引メカニズムの分析と設計を行うものである。令和4年度は、免許や企業買収のようにオークション後の投資によって財の価値が内生的に決まり、かつ買い手が何らかの資金制約に縛られている状況でのオークション研究を中心に行った。 予算制約や資金調達費用に直面する買い手によるオークションを考え、さらに財の価値が落札者による事後投資によって内生的に決定される状況を考える。これは免許割当や企業買収といった現実の事例で想定される状況である。そのような状況では、標準的なオークション理論で成り立つ「収入同値定理」が成立せず、オークションのルールが売り手収入や、事後投資量にどのような影響を与えるか明らかではない。論文”Post-auction Investment by Financially Constrained Bidders”では、そのような環境下での売り手収入や事後投資量の比較を行った。特に、財の価値が投資の一次関数であるとき、売り手の期待収入と平均投資量について同値定理が成り立つことを示した。さらに、免許オークションを念頭にしたとき、スコアリングオークション(総合評価オークション)を適切に設計することによって、売り手は収入を減らす代わりに事後投資を促進することができることを示した。本論文は理論経済学分野の国際的トップジャーナルであるJournal of Economic Theoryに投稿しRevise and Resubmitとなっており、内容の改訂を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、新しい論文として”Post-auction Investment~”論文を完成させ、国際的なトップジャーナルでRevise and Resubmitの状態まで進めることができており、順調に研究が進展していると考えられる。 新型コロナ禍の影響により、研究報告や最新の研究動向の収集の機会が限られてしまった点は残念であったが、令和4年度もオンラインを活用しながら国内外の学会・研究会で研究報告を行うことができた。全体としては順調に研究が進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は次年度が最終年度となる。今後の研究の推進方法として、"Post-auction Investment~”論文について必要な改訂を行い、国際的トップジャーナルへの掲載を目指すことが主要な内容である。同時に、国内外の学会・研究会等に参加し、これまでの研究成果を発信するとともに、今後の新しい研究への着想を得るため最新の研究動向について収集していく。
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Causes of Carryover |
当初の計画では国際学会・国内学会に出席し、研究成果の報告および最新の研究動向の資料収集を行う予定であった。しかし、新型コロナ禍が当初の予想より長引き、国際・国内学会への出席を見合わせたりオンライン出席したため、学会参加旅費について未使用額が発生した。未使用額は次年度国内外の学会等に参加するための旅費等として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)