2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the development history of modern economics in Japan through Miyoji Hayakawa as an economist
Project/Area Number |
17K13712
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 義久 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (60633831)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 早川三代治 / 小樽商科大学 / 北海道大学 / シュンペーター / ワルラス / パレート / 数理経済学 / アーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍で研究の延長を継続してきたが,本年度が最終年度となった。これまでの研究の総括および本年度から新規で採択された研究への接続について検討した。特に,ここ数年間は現地訪問がかなわず,既存資料から早川三代治およびその周辺関係のネットワークを探ってきた。さらに本年度は,コロナ禍も少し落ち着いてきたことから,小樽商科大学附属図書館での資料整理・調査研究を進めることができた。2017年度以降に新規で寄贈された資料の整理を進め,概ねその全体像を把握するとともに,一部の資料についてデジタル化したものをデータベース化した。さらに,今後の研究(22K01418)として,北海道経済学界における早川の位置づけを探るべく,継続的な調査研究を進めている。 研究期間全体をとおして,早川がこれまでの教育・研究で取り組んできたこと,その背景について深掘りすることができた。中でも,フランス語やイタリア語を含めて多数の言語を扱い,国内外で多くの経済学者たちと交流してきたことが手紙などから明らかになった。さらに,講義資料や研究メモおよび未刊行の翻訳など,多数の価値ある資料が残されており,当時の教育研究の内容とその水準を知るうえで貴重な手がかりとなる。 既存資料から経済学者としての早川三代治を再評価するための新たな視点を見いだすことが非常に困難であったが,今後は北海道経済学界における早川の貢献を同時代の経済学者との比較から明らかにしていきたい。福田徳三をはじめとする東京商科大学,さらには京都大学の高田保馬や米田庄太郎らとのつながりの中で,日本の近代経済学をめぐる制度化過程において果たした役割を明らかにしていきたい。
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Remarks |
刊行物とはならなかったが,これまでの早川の新規資料について一覧を作成するとともに,一部の資料についてオンラインデータベースに保管した。
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