2017 Fiscal Year Research-status Report
裾・境界バイアス問題のないノンパラメトリック直接型密度比推定量とその応用について
Project/Area Number |
17K13714
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
五十嵐 岳 筑波大学, システム情報系, 助教 (40759346)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ノンパラメトリック密度比推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の研究成果を得た。 1)ガンマ密度の一般化である、一般化ガンマ(アモロソ)密度をカーネルに用いた、台が非負である密度を対象とする境界バイアスのない一般化ガンマ(アモロソ)カーネル密度推定量の漸近的性質(バイアス、分散、強一致性、漸近正規性、平均積分2乗誤差)を示した。さらに、その平均積分2乗誤差の収束比を改良する、バイアス修正を行った。また、数値実験を実施して、有限標本においてバイアス修正が機能していることを示した。 2)従来のノンパラメトリックな直接型カーネル密度比推定量には、裾や境界での推定に問題があり、実際に裾や境界で0に収束しないバイアスがあり、したがって、裾や境界では平均2乗誤差も0に収束しないことを示した。また、数値実験を実施して、有限標本でも裾・境界付近での推定に問題があることを示した。 3)ベータカーネルを直接型密度比推定に応用した、直接型ベータカーネル密度比推定量の漸近的性質(バイアス、分散、平均2乗誤差、漸近正規性)を導出し、裾・境界バイアスがないことを示した。また、数値実験を実施して、直接型ベータカーネル密度比推定量と、裾・境界バイアスのある直接型カーネル密度比推定量及び、リフレクション法を用いて裾・境界バイアスを補正した直接型カーネル密度比推定量との有限標本における性能を比較して、裾や境界で上手く推定できること、リフレクションによる直接型密度比推定量に匹敵する性能を持つことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)一般化ガンマカーネル密度推定量とそのバイアス修正に関する結果がそれぞれ学術雑誌Journal of Nonparametric StatisticsとCommunications in Statistics - Theory and Methodsに掲載が決定した。 2)ベータカーネルを用いた裾・境界バイアスのない直接型密度比推定量に関する研究が進んでおり、その結果を研究集会で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ベータカーネルを用いた裾・境界バイアスのない直接型密度比推定量について、その平滑化パラメータ選択法を考察する。 2)収束比の改良について考察する。 3)不連続性検定への応用について検討する。
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