2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K13717
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山口 圭子 兵庫県立大学, 経済学部, 講師 (60534964)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 構造変化 / 長期記憶モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的で記述されているとおり、長期記憶性と構造変化の両方を考慮したモデルを開発することが目的である。フラクショナル和分過程(I(d)過程) は、経済・ファイナンスの様々なデータにおいて観測され、多方面に利用されている。I(d)過程はそのモデルの特性から比較的長い系列に対して応用されることが多いが、そのような系列では構造変化がおこる可能性も高いと考えられるためである。 平成29年度はまず、平均変化などに対してロバストな長期記憶パラメータdの推定法の非定常への拡張、について研究を行った。経済・金融データにはd >0.5の非定常な場合も多いことが知られているからである。非定常な場合に拡張するにあたり利用する予定であった推定法はd=0.5,1.5,...における一致性が証明されていない。そこでd=0.5でも一致性をもつように2段階推定法を用いて改良することを提案した。有限標本におけるパフォーマンスについて、今回提案した推定量と類似の推定量や改良前の推定量をモンテカルロシミュレーションにより比較した。その結果、d=0.5では改良前の推定量と比較して漸近分布は滑らかになりバイアスは小さくなったが、平均自乗誤差(MSE)は大きくなった。さらにd=0.5以外においてはバイアスが少し大きくなり、MSEも同等か少し大きくなることがわかった。以上を論文にまとめた。今後この結果をふまえて当初の目的であるロバストな推定について考えていきたい。 また長期記憶パラメータdの構造変化の検定・変化点の推定については先行研究を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では1年に1つのテーマを予定していたが、同時並行で進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平均変化などに対してロバストな長期記憶パラメータdの推定法の非定常への拡張については平成29年度の結果をふまえながら研究実施計画のとおりに進めていく方策である。 2.長期記憶パラメータdの構造変化の検定・変化点の推定についても研究実施計画のとおりに進めていく方策である。また、パラメトリックなARFIMAモデルについても同時に考えたい。セミパラメトリックなアプローチをとる理由の一つは非定常な場合に拡張しやすいからであったが、最近、パラメトリックな場合でもある推定方法では定常・非定常な場合を統一的に扱えることが示されていることがわかったためである。 3.国内外の学会等に参加し、最先端の研究について意見交換を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究発表用の旅費を使用しなかったので、残額が生じた。残額は平成30年度に使用予定の旅費とあわせて旅費として使用する。
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