2019 Fiscal Year Research-status Report
Optimal R&D investment strategies and patent policy under asymmetric information
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17K13728
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
JEON HAEJUN 東京理科大学, 経営学部経営学科, 講師 (90780700)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | R&D投資 / リアル・オプション / Time-to-build / Investment lags / 資本構造 / 倒産確率 / 複占市場 / 寡占市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はR&D投資の重要な特徴であるtime-to-build、つまり投資から収益発生までの期間の不確実性に着目して研究を行った。先行投資を行っても、その成果が実り企業の収益につながるまでの時間が不確実であることは、R&D投資を含む多くの投資の特徴である。Time-to-buildを反映した先行研究はあるものの、その不確実性まで踏まえた研究は数少ない。 昨年度の研究を通してその全体的なモデリングは終えたものの、ファイナンスの観点からのインプリケーションが少なかったことも事実である。従って、今年度は昨年度までのモデリングをもとに、リスクダイナミックの分析およびより一般的な需要関数の下での分析を加えるなど、論文を仕上げる作業に集中した。その結果、「Investment and financing decisions in the presence of time-to-build」と「Investment timing and capacity decisions with time-to-build in a duopoly market」の2本の単調論文をジャーナルに投稿できるレベルまで仕上げることができた。前者は、投資の結果が実る前の段階で企業が倒産する可能性を踏まえ、最適な投資のタイミングや最適な資本構造などを導いたモデルである。一方、後者は複占市場においてtime-to-buildが市場の競争に与える影響を踏まえて最適な投資のタイミングやキャパシティーを導出したモデルである。後者に関しては、国際学術大会にて3回の口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までの研究内容を様々な研究集会にて発表し、そこから得られたコメント等に基づいてモデルを仕上げてきたため、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
仕上げてきた2本の単調論文を査読付き国際学術誌に掲載することを目標とする。
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Causes of Carryover |
2020年度3月に参加予定だった複数の研究集会が、新型コロナウイルス感染拡大とともに開催中止となった。その故、旅費の支出が計画より少なかった。
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