• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2017 Fiscal Year Research-status Report

気候変動と農家の適応行動に関する定量分析:品種選択ダイナミクスと生産への影響

Research Project

Project/Area Number 17K13733
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

内田 真輔  名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (70636224)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords気候変動 / 品種選択 / 計量分析
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、気候が農業生産におよぼす影響を構造的かつ動的に明らかにするために、(A) 気候条件の変化や品種特性の更新が農家の品種選択におよぼす影響の定量分析と (B) 品種選択を内生的に考慮した単収・品質への気候影響の定量分析を段階的に行なう。2017年度は、(A)に該当する事項として、(1) データベースの構築、(2) 品種選択モデルの構築、(3) 計量分析を以下の通り遂行した。
(1) データベースの構築:(A) の定量分析に必要となる時系列データとして、品種データ、気候データ、作物生産データをそれぞれ入手し、1990年~2009年の都道府県別パネルデータを構築した。なかでも品種データについては、早晩性や耐冷性、食味などの品種特性を数値化し、各品種の都道府県内作付面積を重みづけに用いた都道府県レベルの品種特性インデックスをそれぞれ作成した。
(2) 品種選択モデルの構築と(3) 計量分析:(1)で作成した様々な品種特性インデックスを被説明変数として用いる県レベルの集計モデルを基に、各種気象条件が品種特性におよぼす短期・中長期的影響をそれぞれ推定した。その結果、耐病性と耐倒伏性については高温や強風などの短期的な気象影響がそれぞれの特性への対応を促す一方で、早晩性、耐冷性、品質、食味については長期的な気温の変化に伴い適応選択が行われていることが示唆された。特に、品質や食味は最終生産物である米の等級に無視できない影響を及ぼす可能性があることを考えれば、2018年度に実施予定である (B) の分析につながる重要な知見を得ることができたといえる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上記の通り、現状において20年間のパネルデータを構築できたものの、気候変動の影響分析をより高い精度で行うには、より長期のパネルデータに拡張することが求められる。しかしながら、品種データの入手元である「水陸稲・麦類・大豆奨励品種特性表」の電子化には膨大な時間と労力を費やすため、1990年以前のデータベース化については現在も作業過程にある。
とはいえ、モデルの構築につながった論文サーベイについては予定通りに進めることができた上、現存のパネルデータを用いた計量分析からは上述したような興味深い結果を得ることもできたので、おおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

上述したパネルデータの拡張については、研究補助を引き続き利用してできる限り速やかにデータを整備し、分析(A)を再度執り行うことを目標とする。また、これと並行して、2018年度は (B) に該当する構造推定モデルの構築ならびに計量分析を行い、品種選択を考慮しない場合の推定結果と比較しつつ、構造推定モデルの妥当性を検証する。

Causes of Carryover

想定を上回る人件費支出の都合上、2017年度の購入を見送った高速ワークステーションを2018年度は入手し、構造推定モデル分析の際に生じうる膨大な計算処理を迅速に行えるようにする。 また、上記パネルデータの整備に必要な研究補助への支出を当初予算より増額する予定である。

URL: 

Published: 2018-12-17  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi