2018 Fiscal Year Research-status Report
Empirical analysis on modeling business index and business forecast corresponding to tail-risk
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17K13736
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
大塚 芳宏 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (20632235)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 景気循環分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に提案したマルコフ切替型動学因子モデルに対して、以下のようなモデル拡張とそれを用いた実証分析を進めた。 まず第1に、先行指標の利用である。株式市場や住宅市場の動きは、景気動向に対して先行して動くと言われており、我が国では景気の先行指標に区分されている。こうした先行指標が、景気循環の予測に対して、どれほど有効であるかを計量モデルの見地から数値的に検証を行った。具体的には、景気が好景気から不景気に変わる転換点を推定する際に重要となる推移確率の定式化で、説明変数が先行指標とするプロビットモデルの構造を仮定した。この拡張により、先行指標が景気の転換にどれだけ影響力を与えるか数値評価できることに加え、時間に対して可変するマルコフ切替型動学因子モデルの提案をすることができた。 第2点として、上記のモデルを我が国のマクロデータに当てはめ、実証分析を行った。その結果、新規求人や東証株価指数などは微弱ながらも景気の転換点に対して、先行性を持つことが示すことができた。また、モデルの推定に2017年までのデータを用いることで、準景気後退期と指摘される景気後退期に近いとされる期間が2014年から2015年に存在することが景気後退確率の推定より示すことが出来た。 これらの研究については、International Society for Bayesian Analysisの2018 World Meetingで報告を行い、現在はこれらの結果を論文にまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、先行指標を景気の転換点評価に応用するという当初計画には無い拡張を行ったことから、当初の予測評価への着手が出来ていない。これにより、上記のような評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、景気動向の統計モデリングと予測手法の開発が主たるテーマである。まず景気を捉えるためには、どのような情報を利用するべきかが肝要であることから、近年のビッグデータなどの大規模データにより実証分析の蓄積が重要である。また、予測については、ある1点を予測するだけでなく、分布によって予測することが予測結果の情報力を上げるという点で重要であることから、予測分布の推定や評価方法を考えていく必要がある。
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Causes of Carryover |
本研究は、当初計画では今年が最終年度となっていますが、延長申請を行い、認証されました。次年度の予算執行計画としては、学会参加および論文投稿に向けた費用に充当したいと考えています。
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Research Products
(1 results)