2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K13737
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
田中 健太 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30633474)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エネルギー効率性 / 生産性分析 / 技術スピルオーバー |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究では、事業所のエネルギー効率性から技術波及効果に関しての空間的関係性の分析を行うことを目的として、研究を行ってきた。当初の計画に基づき、エネルギー効率性に関する技術スピルオーバーに関しての理論的、実証的モデル構築を実施し、現実データに応用可能な計量分析手法を構築することができた。 事業所データのエネルギー効率性の変化を分析する上で、各事業所でのエネルギー生産効率性指標を作成し、その効率性指標を各事業所間の距離で重みづけを行ったスピルオーバー変数を作成する。この変数を用いることで、技術スピルオーバーの計量分析モデルを構築可能であることが判明した。しかし現実のデータでは事業所のエネルギー効率性に影響を与える政策効果については、政策影響を受ける事業所と受けない事業所間での明瞭な政策影響差異が識別ができない状況にあった。そこでエネルギー効率に影響を与える制度、政策影響を純粋に分析するために、制度影響が与えられているサンプルと与えられていないサンプル間で発生するサンプルバイアスをコントロールするマッチング手法の応用可能性について検証した。最終的に、マッチング手法を用いることで、理論上、政策的効果も識別可能であり、具体的なエネルギー効率性向上のための施策提案を行う上で必要となる計量分析手法を構築することができた。これまで構築してきた分析モデル、手法を応用して、今後、日本でのデータとの整合性を確認しつつ、最終的な分析結果を取りまとめて、研究論文として成果を学会や学術誌に投稿する予定である。 また本研究で応用してきた分析手法や学術的知見をもととした、新たな共同研究を行うとともに、関連研究成果についても国際的な学術誌や学会で成果を公表、発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの流行によって、研究成果の発表を予定していた国際学会の中止などが起きたために、研究成果発表等の予定が遅れているが、現状、研究作業自体はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を取り纏め、国内外の学術誌に投稿を行うことを予定する。また2020年度では、2019年度に予定していた研究発表を行い、研究成果の発信を積極的に行う予定である。
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Causes of Carryover |
2020年3月に予定していた国際学会参加のための海外出張が新型コロナウィルスの流行の影響により、中止となり、次年度使用額が生じた。2020年度では出張旅費、及び本研究成果発表のための諸費用として使用する計画である。
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