2019 Fiscal Year Research-status Report
従業員の主観的評価についてのアンカリング・ヴィネット手法を用いた実証分析
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17K13746
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
参鍋 篤司 流通経済大学, 経済学部, 准教授 (70456763)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アンカリング・ヴィネット / 主観的変数 / 幸福度 / 生活満足度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の中心的テーマであるアンカリング・ヴィネット手法を用いた学術論文を作成し、査読付学術誌に投稿した。世界的に、女性は男性よりも幸福度の高くなる傾向が知られている。このような現象が観察される理由は、女性は幸福度の高さにつながる諸活動に多くの時間を配分しているという「時間配分仮説」と、女性は男性に比べて人生に多くを望めないため、満足度や幸福度を判断する基準水準が低くなり、満足度や幸福度が高く出るという「基準仮説」の二つに大別される。本稿では、この二つの仮説について、生活満足度や幸福度等の主観的変数の個人間比較可能性を担保する手法として近年注目の高まっているアンカリング・ヴィネットを用いて実証的に検討した結果、基準仮説の説明力の高さを示した。 現在、改訂条件(小規模改訂)付き再提出の状態にあるので、修正中である。今後、このプロセスの完結を目指している。 本年度は、パネルデータ作成最終年度であるので、アンケート調査の実施(二回目)を予定している。本年度においてもアンカリング・ヴィネットに関連した質問項目が含まれる予定であり、アンカリング・ヴィネットを用いた推計において満たしていなければならない諸条件(RC条件およびVE条件)について、それらの条件を満たすための仕掛けを用意している。近年、世界的に、これらの諸条件を満たすアンカリング・ヴィネット推計を行うことが追及されており、こうした方向での研究は世界的にみても、意義のある研究となることを期待している。 そして、それらの条件を活かした推計を行うことによって、国際的学術誌への投稿も予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、正常な調査を実施することが難しいと判断したため、当初予定していたアンケート調査の実施を一年遅らせることとしたため、遅れが生じた。学術誌への投稿等はおおむね予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していたアンケート調査(パネル調査、第二回目)を実施し、研究計画を終了させる。第一回目調査の結果を論文にまとめたのち現在投稿中であるので、そのプロセスの終了を目指す。また、パネルデータの作成が完成したら、それらを用いた学術論文作成を実行する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行のため、予定していたアンケート調査の実施を延期することとした。アンケート調査が正常に実施できる可能性が低いと判断した。
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Research Products
(1 results)