2022 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical analysis of employees' subjective evaluations using the anchoring vignette method.
Project/Area Number |
17K13746
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
参鍋 篤司 流通経済大学, 経済学部, 准教授 (70456763)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アンカリング・ヴィネット / 幸福度 / 生活満足度 / 男女格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間中に、アンケート調査を二回実施した。第一回目は、働く人々を対象に、アンカリング・ヴィネット分析を実施するべく行った。アンカリング・ヴィネット分析とは、主観的変数を分析するとき、個人間での比較可能性を担保する方法として注目を集めている。幸福かどうかは、本人の中にある基準が大事で、その基準を上回っていれば幸福と回答するし、下回っていれば不幸と回答する。しかし個々人によって、この基準は異なりうる。高い人もいれば低い人もいる。生まれた場所などによってこうした基準値に差がある場合、幸福度などの主観的な変数を個人間で比較することは難しい。こうした基準をそろえることが必要となる。それがアンカリング・ヴィネット分析である。ヴィネットと呼ばれる、架空の人物に関する小さなストーリーを見せることで、もし自分がその当該人物であったなら、どの程度の幸福度を感じるであろうか、と質問することで、各個人の基準の水準についての情報を得ることができる。この情報を使い、各個人の幸福度のレベルを修正することで、個人間の比較可能性を高める。この手法を用いて、男女間の幸福度の違いを分析したのが、「なぜ女性は男性より生活満足度が高いのか-アンカリング・ヴィネット分析」と題する査読付き論文であり、2023年度中に出版される予定である。女性のほうが、男性よりも幸福度が高いのが常であるが、これは何故か?本論文では、女性のほうが文字通り、幸福な暮らしをしている、というよりも、女性のほうが男性よりも幸福の基準は低いことを示している。これは、長年の社会経済の構造から形成されてきたと考えられることについて論こうしたものである。また、二回目でのアンケート調査では、会社の経営者について、仕事の満足度や幸福度について調べている。経営者はサラリーマン等に比べて、生産性の計測がより容易だ。こうした分析も、近々発表する予定である。
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Research Products
(1 results)