2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K13754
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松浦 司 中央大学, 経済学部, 准教授 (50520863)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢化 / 少子化 / 主観的厚生 / 高齢者就業 / 日本的雇用慣行 / 東アジア各国比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績の概要としては、1冊の単著の出版と2回の海外の学会での報告を行ったことが挙げられる。 書籍は単著『現代人口経済学』として日本評論社より、2020年1月に出版された。本研究との関連でいえば、地域間の高齢化の進展に関しては1章で説明した。その結果、高齢化の都道府県格差だけでなく、東京都内であっても高齢化の進展に大きな差があることを示した。少子化が高齢化率に与える影響に関しては2章で説明した。その結果、高齢化の決定要因としては平均寿命の延びだけでなく、出生率の低下が大きく影響することを示した。単身高齢化と貧困に関しては13章で説明した。その結果、単身高齢化が進展している都道府県では高齢者の生活保護率も高いことを示した。高齢者就業と日本的雇用慣行に関しては10章で論じている。単身高齢化の問題と密接に関連する介護の問題に関しては15章で示している。 海外の発表は2019年4月に台湾の輔仁大学で開催された、Population Association of Taiwanにて"Fertility Intention and Birth Behavior in Japan and Korea"を発表した。また、2019年11月にはシンガポール国立大学で開催された、Asian & Australasian Society of Labour Economicsにて、同じ論文を発表した。 その他、単著論文「フィリピンにおける人口増加が経済成長や貧困に与える影響」を中央大学の『経済学論纂』に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1冊の書籍の出版と2回の国際学会での報告を実施した。ただし、本来はもう1つの国際学会の報告が予定されていたが、コロナウィルスの影響によって2020年12月に延期されることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
拙著『現代人口経済学』では高齢者就業と日本的雇用慣行の関連を論じた。第1に、この問題を発展させ中小企業の日本的雇用慣行の分析を行う。第2に、『現代人口経済学』では、出生率の低下が平均寿命の延びとともに高齢化に影響することを説明した。この問題を発展させて、少子化の決定要因にも注目して分析を行う。第3に、東アジアや東南アジアを含めたアジア地域との比較研究を行う。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスによる国際学会の延期や出張計画の見直しのため。来年度には延期された学会で報告するために使用する予定である。
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Research Products
(4 results)