2021 Fiscal Year Annual Research Report
The Effects of living arrangement for the elderly on Happiness and Poverty
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17K13754
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松浦 司 中央大学, 経済学部, 准教授 (50520863)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 幸福度 / 生活満足度 / 単身高齢者 / 貧困 / ジェンダー / 少子高齢化 / 未婚化 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の成果は以下のとおりである。 第1に、単身高齢者の幸福度に与える影響を日中のパネルデータを用いて検証した。その結果、日中ともに高齢女性に比べて、高齢男性の方が、単身世帯であることによって、生活満足度や幸福度に与える負の影響は固定効果を考慮しても大きいことが示された。この論文は、学会報告や国際コンファレンスでの報告を経て、Journal of Happiness Studiesに掲載された。 第2に、World Values Surveyを用いて、未婚であることの主観的厚生に与える影響のジェンダー差を年齢別、時代別に分析した。さらに、国際比較を行った。その結果、未婚であることが主観的厚生に与える負の影響は一般的に女性よりも男性の方が大きいことが示された。さらに、未婚であることの負の影響のジェンダー差は、年齢が上昇するにつれて大きくなり、60歳以上であると男性の負の効果は女性と比べて顕著に大きいことが示された。一人当たりGDPに注目すると、先進国の方が高齢者の未婚であることのジェンダー差が顕著であることが示された。 第3に、都道府県別パネルデータを用いて、単身高齢者と生活保護の関係を分析した。その結果、女性と比べて男性の方が単身高齢者と生活保護に密接な関係があることが、都道府県の固定効果を考慮しても確認された。 第4に、本研究に触発された問題意識や手法によって、労働市場分析や人口学に関するいくつかの論文を執筆し、学会項報告を経て、論文として掲載、もしくは投稿中である。
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Research Products
(4 results)