2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K13757
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
高橋 主光 九州産業大学, 経済学部, 講師 (60756865)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 労働経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度においては、本研究課題の研究計画におけるデータ作成・およびその分析に先立つ作業に特に力を入れた。より具体的には、研究計画に含まれているアンケート調査をより精度が高く、研究計画との齟齬を持たないものとするための事前準備として、独自の経路を通じたデータ収集やインタビュー調査、そして、質的調査を主として行っている研究者及び経済理論を専門とする研究者との情報交換などを精力的に行った。以下でより詳細に述べる。 まず、データ収集であるが、北部九州地区において筆者が従前より継続してきた無業者支援団体へのインタビュー並びに情報交換の一環として、無業者支援団体へ来所した若年無業者に関するマイクロデータを、当該自治体(政令指定都市)の許可を経た上で取得した。より詳細には、来所した若年無業者の属性(年齢、性別、最終学歴、来所事由、主訴、初回来所時の自立度及び最新の自立度等)に関するマイクロデータである。このようなデータは筆者が独自に取得したものであり、その意味で貴重なデータセットであると言える。同時に、九州地区における無業者支援団体へのインタビュー並びに意見交換も併行して行い、最新の事情把握にも努めた。 上記のようなデータ並びに情報収集は、研究計画におけるアンケート調査、並びにシミュレーションの前段階として行われたものであり、この後に行うデータ分析・モデル構築・シミュレーションを、研究計画との齟齬をきたさず、かつ高い精度で行うために非常に有益な作業であると位置づけられる。 さらに、平成29年度においては、質的調査法を用いた研究者との研究会の主催、並びに経済理論専攻の研究者との意見交換等、広く研究計画遂行のために必要な知見の獲得に努めた。 これらの研究活動を通じ、平成30年度においては、研究計画にあるアンケート調査や実証分析、さらにモデルの構築へと移行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度においては、当初の研究計画とはやや異なるものの、希少なデータの取得、多様な近接分野の研究者との意見交換を通じ、より厳密な分析・理論構築・シミュレーションへの土台を築くことが出来たといえる。平成30年度においては、上記のような作業を活かした上で、より当初の研究計画に即した分析を、高い精度をもって遂行できるような状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
先述の通り、平成29年度には、研究計画のスムーズな遂行をより確実なものとする作業に注力してきた。平成30年度以降には、現在進行形で行っているデータ取得(公的統計・アンケート調査)とその分析、及びこれまでに取得してきたデータの分析と論文作成を通じ、最終的な研究目標である理論研究・シミュレーションへとつなげてゆく作業に注力する。さらに、研究成果を広く社会へと還元することにも取り組みたい。
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Causes of Carryover |
平成29年度において、研究計画をより高い精度で遂行するための基礎データ収集に注力したため。平成30年度においては、実施予定であったアンケート調査・備品購入等を通じ、当初の計画と齟齬をきたさない使用を計画している。
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