2017 Fiscal Year Research-status Report
取引所外取引における執行問題と市場の安定化に関する研究
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17K13762
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
久納 誠矢 同志社大学, 商学部, 助教 (70774735)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 最適執行問題 / アルゴリズム取引 / 取引所外取引 / ダーク・プール |
Outline of Annual Research Achievements |
機関投資家による自らの執行における価格の影響を考慮に入れた執行問題に関し、単一の取引所における取引のみならず、取引所外における相対取引をも考慮に入れた執行問題に関する研究を行った。具体的には、1)取引所における執行と取引所外における執行の最適な配分に関する研究、2)取引所外において機関投資家の相手となる証券会社の提示する最適な手数料体系の構築、及びその手数料水準における機関投資家の取引所及び取引所外での執行問題の研究を行った。 1)に関しては、Kuno, Ohnishi, and Shimizu(2017)における価格モデルを基に、取引所外において取引時間外にその日の終値での執行に制限するのみならず、期中においても取引所外取引が行えるよう、確率応答制御問題への応用試みた。次に、2)に関しては、期末におけるVWAP(Volume Weighted Average Price)での執行に関する手数料の構築が可能である知見を得て、1)同様Kuno, Ohnishi, and Shimizu(2017)の枠組みにおいて手数料体系の構築を行った。そのVWAPでの手数料を用いて、日中における取引所取引時間内は取引所取引で、その後に終値で1度限りの取引所外で相対取引するときの最適執行問題に関する研究を行い、手数料体系(VWAP)と実際の執行(終値)が異なる場合の考察を行った。 これらの研究は主に最適な執行を行う機関投資家の視点、及び機関投資家が相対取引を行う際に手数料を設定する証券会社の視点の、双方の別々の視点により研究を行ってきた。この双方からの視点をゲーム理論及び契約理論等により適切に統合し、それを用いた最適執行問題への更なる考察は進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで多くの新しいアイデアが生まれ、またモデルの構築がなされて研究は順調に進んでいる。一方で、機関投資家の視点からの執行問題と相対取引の相手となる証券会社側からの視点における手数料体系の構築という、異なる視点からの問題を同時に扱う困難さ故、個別視点における問題の解決はなされているが双方の視点をいかにまとめていくのかに関しては考察中であるため、論文執筆に関してはまとめの段階であり、当初の計画以上とはいえない。
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Strategy for Future Research Activity |
機関投資家視点における執行問題と証券会社視点における手数料体系から得られた結果を別個に研究結果として論文執筆にとりかかり、更に統合させた視点における執行問題に関しても様々な設定から、また契約理論からの結論等を用いて検証を行い結果をまとめる。まとめた結果を研究集会等で発表しフィードバックを得る。
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Causes of Carryover |
国際学会での発表が諸事情により至らなかったこと及び、初年度は理論構築に力を入れており、数値計算まで至らなかったことにより。差額が生じた。次年度は構築した理論を広く発表するとともに、得られた結果を基に数値計算およびデータ分析を行なう予定である。
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Research Products
(3 results)