2017 Fiscal Year Research-status Report
戦前期尾西織物業の展開と地域の産業化に関する社会経済史的研究
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17K13770
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
石井 里枝 國學院大學, 経済学部, 准教授 (00609604)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 戦前期日本 / 尾西 / 羊毛工業 / 毛織物 / 産業化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本有数の毛織物産地であった愛知県尾西地方における毛織物業の展開および地域の産業化について、『鈴鎌毛織資料』、『山直毛織資料』、『艶金興業資料』など有力機業関係者の経営資料を用い、生産・流通・消費といった諸側面および関連する産業の動向もふまえながら、実証的・総合的に研究を行うことである。 平成29年度においては、上記の研究目的に沿って、まず一次資料および関連する資料・文献の調査・収集・整理およびそのデータ入力を行った。資料調査・収集は、愛知県一宮市の資料所蔵者宅や公共資料館において実施した。資料整理およびデータ入力に関しては、学生に補助を依頼して作業を進めた。 そして、次の2回の学会・研究会で表題の報告を行った。①社会経済史学会第86回(2017年度)全国大会「尾西織物産地の工業化と機業家―綿織から毛織への製品転換の過程を中心に―」、②明治大学ビジネス・イノベーション研究所研究例会「日本における毛織工業の展開と産地織物業―尾西産地を事例として―」。 また、上記の学会・研究会報告に基づいて、次の大学紀要(査読付き)に表題の論文を執筆した(2本)。①『國學院大學紀要』 第56巻「戦前期日本における羊毛工業の展開と企業・産地の発展」、②『國學院経済学』第66巻第2号「戦前期日本の毛織物工業における産地織物業の展開―尾西機業地を事例として」。 このように平成29年度は、資料調査・収集、研究成果の公表という点において、バランスのとれた実績を残すことができたのではないかと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にも記したように、平成29年度においては①一次資料および関連する資料・文献の調査・収集・整理、②学会・研究会における研究成果の報告発表、③論文の執筆、をバランスよく進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究に引き続き、まずは新たな史資料の調査・収集を実施し、その整理およびデータ入力を進めることにする。その上で、研究成果の報告発表を行い、論文執筆も精力的に進めていく計画である。 今後は、今まで進めてきた明治・大正期についての分析のみでなく、昭和期の尾西産地織物業の展開に関しての分析も進めていきたい。
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Causes of Carryover |
旅費に関して、当初の計画では関西など遠隔地で実施される学会・研究会への参加および研究報告を想定して予算を計上したが、実際には都内で実施された学会・研究会において研究報告を行ったため、旅費収支に余裕が生じた。また、人件費・謝金に関しては、資料整理およびデータ入力のために学生に補助を依頼したが、当初の計画よりも作業時間が少なかったため、その収支にも余裕が生じた。同様に、物品費にも若干の余裕が生じた。 次年度の研究遂行のため、図書資料購入や資料調査・収集のための旅費、および収集した資料の整理・データ入力等のための人件費・謝金として使用するほか、遠隔地で実施される学会・研究会への参加のための出張旅費としても使用する計画である。
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Research Products
(4 results)