2017 Fiscal Year Research-status Report
Mental Model Development Process among International Team Members
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17K13780
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戎谷 梓 大阪大学, 経済学研究科, 助教 (90709867)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 国際チーム / バーチャル・チーム / メンタル・モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、様々な国籍や文化背景を持つメンバーで構成されるチームにおけるメンタル・モデルの構築プロセスの解明を目的としている。本研究ではとりわけ、チームのメンタル・モデルの構築が重要とされるバーチャル・チーム(メンバーが物理的に離れた環境でICT等のテクノロジーを介して協働するチーム形態)を調査対象としている。バーチャル・チームのメンバーがチームで協働する際に直面する問題や改善、また問題に対処するための取り組みについて観察・分析を行うことにより、メンタル・モデルの構築プロセスを詳述することを目指す。 研究初年度である本年度の前半では、メンタル・モデルの概念や理論についての文献調査に重点を置いた。心理学的、また経営学的視点にもとづく書籍や研究論文を参照しながら、本研究の枠組みを構築した。また年度の後半では、多国籍出身者で構成されるバーチャル・チームの複数のメンバーにインタビュー調査を実施し、参与観察も行った。長期的視野にもとづく縦断的調査であるため、データ収集と並行してデータの分析も進めた。 調査や分析の進捗は、1年を通して3つの国際学会で口頭発表を行うことにより、同様の関心を持つ研究者間で国際的に発信することができた。そのうちの2つは、Academy of International Business(AIB)とAcademy of Management(AOM)という当該分野の最大手の学術学会であり、多くの優秀な研究者から研究上の提案やアドバイスが得られた。それらをもとに、分析手法等に改善を加え、一層科学的な方法で調査や分析を推進することができた。 平成29年度中、共著で2本の研究論文を投稿した。そのうちの1本は国際学術誌に掲載が決まり、現在オンラインでは既に公開されている。もう1本は現在、査読の結果を待っている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、初年度の研究活動として計画していた通り、「調査枠組みの構築」「インタビュー調査の開始」「参与観察の開始」「国際学会での発表」がいずれも継続的に行えている。また、当初予定していたよりも多くの調査協力者が得られたため、インタビューデータや参与観察のデータが多く収集できた。さらには、今年度は予定していなかった論文の投稿も行うことができた。そのため、計画以上に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で実施している質的調査は縦断的に行うものであるため、平成30年度も引き続き、インタビュー調査を継続することにより、国際的なバーチャル・チームのメンバーのメンタル・モデルの構築のプロセスを追って記述する予定である。また、分析の進捗について国際的な学術学会で発表することにより、分析や考察をさらに深める。現在すでに、Academy of Managementでの発表が1本決定しているため、その準備も進める。また、平成29年度末に投稿して査読中の研究論文の結果を待ち、採択に向けて修正等を行う。同時に、収集が進行している新規のデータに関する論文の執筆も開始し、新規の研究論文を投稿したい。
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Research Products
(6 results)