2017 Fiscal Year Research-status Report
Targeted recruitment strategies for increasing attractiveness among members of a certain group
Project/Area Number |
17K13785
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
林 祐司 首都大学東京, 大学教育センター, 准教授 (40464523)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 採用活動 / 人的資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、組織が必要とする特定の属性をもつ潜在的な採用候補者を組織に引きつけて採用する「ターゲット採用」(targeted recruiting)の方法を理論的・実証的に解明することである。 2017年度は研究申請書に記した年次計画に従い次の通り研究を遂行した。まず、実証的な検討の素材として用いる採用広報媒体に関してデータの収集を行った。研究構想の段階では紙媒体を中心に分析することを考えていたが、近年のウェブを基盤とするインターネットリクルートメントの進展を考慮し、紙媒体のみならずウェブ上のデータを合わせて用いるのが適当であると判断した。これに伴い、インターネット上のウェブページ、画像、動画、音声等をスクレイピングして収集するよう軌道修正をおこなった。研究のために収集対象としたのは各種就職人気企業ランキングの上位企業700余社である(新卒、既卒の双方を含む)。さらに年次計画に記したとおり「ターゲット採用」で対象となる潜在的な採用候補者に送られるシグナルについて把握するために文献を収集し、研究申請段階で行っていた予備的な文献の検討結果と合わせ、「ターゲット採用」に関する理論的検討を行った。検討の結果、組織が送るシグナルは大きく分けると明示のものと暗黙のものがあり、それぞれについて多様なメッセージが提供されると想定できることが確認された。ここで行った理論的な検討により明らかになったことを活用しつつ、論文を執筆して投稿を行った。 しかしながら、学術論文の執筆に想定以上に時間を割いてしまったことにより、年次計画において2018年度の後半に完遂するよう計画していた採用広報媒体に依拠した明示的シグナルの実証的検討の作業着手に遅れをうんでしまった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論的な検討を行って得られた成果をもちいて論文を執筆して投稿を行ったのだが、執筆に想定外の時間をかけてしまったことにより、採用広報媒体の検討作業の着手に遅れをうむことになってしまった。2018年度に挽回したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度は採用広報媒体の分析に取り組むとともに、投稿した論文が学術雑誌に掲載されるよう適宜作業を行いたい。また、年次計画では、2018年度に暗黙のシグナルについての実証的検討と質問紙調査の準備を行うこととしていたが、採用広報媒体の分析に想定以上に時間がかかるようであれば、質問紙調査の実施に遅れをうむことがないよう、その準備を優先して行うつもりである。
|
Causes of Carryover |
データ収集のためにアルバイトを雇用する予定であったが、ウェブスクレイピングの手法によりコンピュータによる作業を行ったことで、アルバイトの人件費を支出しなかったことが大きく影響した。また、情報収集を本務校近隣の会合で行う機会にめぐまれたことで旅費が大幅に縮減されたことも大きい。これらの資金は2018年度に遠方で開催される学会に参加して利用するとともに、学術雑誌に投稿する論文の英文校閲に用いることを計画している。
|