2021 Fiscal Year Research-status Report
新規公開における機関投資家と個人投資家の役割に関する実証研究
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17K13797
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
高橋 陽二 県立広島大学, 経営管理研究科, 准教授 (20566533)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 新規株式公開 / IPO / アンダープライシング / ストック・オプション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、学会での研究報告として、(1)「新規株式公開企業におけるストック・オプションの役割に関する実証研究」、(2)「日本のIPOの現状と課題」という2点を実施した。 はじめに、(1)は、2021年7月にオンラインで実施された企業家研究フォーラム第19回年次大会において、新規株式公開(IPO)企業におけるストック・オプション制度の属性が株価及び業績パフォーマンスに与える影響について実証的に分析した結果を報告した。ストック・オプション付与の株式比率が高いIPOは、初値と公開価格のかい離である、アンダープライシング(=(初値-公開価格)/公開価格*100)が大きいという仮説について実証的に分析したものの、仮説は支持されなかった。 次に、(2)は、2021年9月にオンラインで実施された証券経済学会第93回全国大会において、共通論題の「成長企業へファイナンスの果たす役割を問う」というテーマに、4名のパネリストのうちの1名として、日本のIPOの現状と課題について報告した。これまでのデータや先行研究を総括しつつ、とりわけ、機関投資家及び個人投資家に対するIPO株式の配分がIPOの価格形成に与える影響について実証研究の結果を報告した。 サンプルサイズを大きくすることを想定しながら、ストック・オプションなど周辺の関連テーマについても研究が実施できたことから、より多面的にIPOの価格形成に関する課題にアプローチできたものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍にあって、当初の予定とは大きく異なる進捗状況であるが、徐々に研究を進めており、2度の延長を経て遅れを取り戻しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果をもとに、サンプルサイズを大きくすることによって、より頑健性の高い実証分析となるように精度を高める予定である。結果として、論文としての雑誌への掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍にあり、当初予定していた学会や研究会などの出張経費が大幅に減少しており、次年度使用額が生じている。徐々に学会や研究会もリアルでの開催が行われるようになっており、オンラインでの周辺機器の充実と合わせて、出張経費への支出が増えるものと考えている。
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